離婚調停でかかる弁護士費用とは?相場や内訳、安くする方法を解説

離婚・男女問題

この記事の監修

東京都 / 中央区
麻布龍土町法律事務所

離婚の話し合いがまとまらず、離婚調停を弁護士に依頼しようと考えたとき、多くの方が弁護士にいったいいくら支払うことになるのか不安に感じることでしょう。
以前、弁護士費用は日本弁護士連合会の定める報酬基準に基づき決められていましたが、現在は個々の弁護士が基準を定めるため、依頼する弁護士によって費用の定め方は様々です。

そこで今回、この記事では「離婚調停でかかる弁護士費用の相場」について解説します。
弁護士に依頼する際に知っておきたい「弁護士費用の種類」や「弁護士費用を安くする方法」も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

離婚調停でかかる弁護士費用の種類(内訳)


離婚調停でかかる弁護士費用は、初めて利用する方にはわかりにくい部分でもあります。
弁護士費用は大きく分けると、タイムチャージ制と、着手金報酬金制の2種類に分かれており、タイムチャージ制については1時間あたりいくらという決め方で、弁護士が活動した時間分の請求を受けます。
一方の着手金報酬金制は、事件の依頼時に着手金を支払い、それで事件終了まで基本的に弁護士に活動してもらい、最後に事件の結果が出た際に結果に応じて報酬金が発生する仕組みとなっています。
離婚調停を受ける弁護士の大半は、離婚調停について、着手金報酬金制を採用していることが多いと思われます。
具体的には、以下のような内訳となっています。

  • 着手金
  • 報酬金(成功報酬)
  • 実費・日当
  • 手数料
  • 法律相談料

まずはこれらがどのようなものかを詳しく見ていきましょう。

(1)着手金

着手金は、実際に弁護士に依頼をする際に支払う費用です。
弁護士が手続きを進めるために、支払う費用(原則として最後まで活動してもらうための費用)だと認識しておきましょう。
事件の結果に左右されない費用となっているため、自分の希望通りにならなかったとしても返金はされません。

弁護士事務所によっては、着手金が固定されているところもあります。
例えば、「基本料金を20万円とし、財産分与・慰謝料を請求する場合は20万円と追加する」といった形です。
費用体系についてはココナラ法律相談の弁護士詳細ページや弁護士事務所のHPなどに記載されているため、相談を考えている際は確認してみると良いでしょう。

(2)報酬金(成功報酬)

報酬金は成功の程度に応じて支払う成功報酬で、事件終了の段階で支払います。
依頼した事項について結果が全く出なかった場合、基本的に報酬金は発生しません。

ただし報酬金の計算方法も弁護士や依頼内容によって異なるため、事前の摺り合わせが大切になります。
確認しておかないと、不本意な結果になったとしても報酬金を支払うケースが起こりえます。
財産分与や慰謝料などは、「経済的利益の20%」のように定められているので、事前に確認しておくと良いでしょう。

(3)実費・日当

実費・日当は、実費については文字通り事件処理のために出費される費用、日当については出張(特に遠方)に際して設定されることが多い費用です。
例えば以下のようなものが該当します。

  • 印紙代
  • 予納郵券代(切手代)
  • 通信費
  • コピー代
  • 記録謄写費用
  • 保証金
  • 供託金
  • 鑑定料
  • 交通費
  • 宿泊費

調査のために出張が必要になった場合、交通費や宿泊費もかかることが多いです。
出張の費用に関しては、日当に交通費が含まれる場合もありますが、日当とは別に、交通費や宿泊費を請求されることもあります。

日当・実費は、変動が大きい部分です。
そのため、通信費やコピー代など必要になると想定されているものは、依頼時にまとめて定額で支払う場合や、あらかじめ預り金として弁護士に一定額を預けることもあります。

(4)手数料

手数料は、当事者間に実質的な争いがないケースだった場合に、事務的な手続きのための費用として支払います。
離婚調停においても、調停にはなっているが、調停をまとめる段階になって初めて弁護士に依頼をして調停条項のみ、作成を依頼するといった場合があります。

(5)法律相談料

法律相談料は、依頼者が弁護士に相談する際に支払う費用です。
離婚調停に際して、代理人としての活動は依頼しないが、法律相談を利用しながら、自身で調停対応をされる方もいます。
法律事務所によっては、以下のようなサービスを展開しているところもあります。

  • 初回相談無料
  • 2回目以降30分5,500円
  • 何度相談しても無料

特に、離婚にともない経済状況が心配な方にとって、法律相談料は重要です。
相談したからといって必ずしも依頼しなければいけないわけではありませんので、まずは気軽に相談してみましょう。

離婚調停でかかる弁護士費用の相場


弁護士に依頼する内容にもよりますが、離婚調停において代理人としての活動を依頼する場合、着手金が20万円から50万円程度、報酬金についても少なくとも同程度は発生する費用体系となっている事務所が多いため、離婚調停は着手金と報酬金の合計で最低でも40万円程度の弁護士費用が必要となり、報酬金等の金額によっては100万円を超えるような場合もあります。

他に実費として印紙代やコピー代、交通費などが加算されます。

また、弁護士費用は依頼内容によって相場が異なり、協議離婚<調停<訴訟の順番で高くなるのが一般的です。

弁護士に依頼する際の費用のチェック項目

人生において、弁護士に相談するのは何度もあるものではありません。
離婚調停で相談する際は、以下の項目に注目してみましょう。

  • 初回相談料:初回相談料の料金
  • 着手金:金額と支払いタイミング
  • 報酬金(成功報酬):報酬の金額と支払い条件
  • 追加費用:日当や実費など、進行状況に応じてどの程度発生するか
  • 支払い方法:費用を支払う方法と支払うタイミング

これらを事前に確認しておくと、無理のない範囲で弁護士に依頼できます。
支払方法についても、分割払いに対応する事務所もあるため、希望がある場合は、事前に確認しておきましょう。

離婚調停における弁護士費用の考え方


離婚調停において弁護士に依頼する際、少しわかりにくいのが報酬金の考え方です。
報酬金は、経済的利益をもとに計算されることが多いです。
経済的利益とは、依頼者が解決によって得る利益のことです。
例えば、離婚時に不貞行為に関する慰謝料として150万円を得た場合、その金額が経済的利益となります。
弁護士は、依頼者が得た150万円を基に報酬金を請求します。

一方で、離婚調停において必ずしも経済的利益が生まれるわけではありません。
そのため、成功報酬は離婚成立時に20万~30万円、というように、離婚成立そのものに対して報酬金を設定することも多くあります。

離婚調停の弁護士費用を安くするには?


離婚の依頼を弁護士にする際、どうしてもネックになるのが弁護士費用です。
中には費用を捻出できるかどうか不安で迷っているという方もいるでしょう。

もし費用面で悩んでいる場合は、以下で紹介する方法を参考にしてください。

  • 早期に依頼する
  • 無料相談を利用する
  • 家の近くの事務所を探す
  • 法テラスを利用する

早期に依頼する

弁護士の費用を抑える方法として、早期に依頼する方法があります。
基本的に協議離婚が最も安い金額になりますので、調停や訴訟になると費用だけでなく時間もかかります。

そのため、離婚を検討している場合は、協議の段階で弁護士に相談し、調停や裁判に発展する前に離婚が成立すれば費用を抑えられます。
余計な費用をかけないためにも、弁護士にはなるべく早く依頼するようにしましょう。

無料相談を利用する

弁護士に相談する際、無料相談ができるかどうかを確認しておきましょう。
初回のみ30分相談料が無料になる弁護士事務所が増えているため、うまく利用すれば相談費用を抑えられます。

無料相談を使ったからといって、必ずしもその弁護士事務所に依頼しなければいけないわけではありません。
複数の弁護士事務所を見積もりで比較し、自分に合った費用の事務所を選べば、弁護士費用を抑えられる可能性があります。

家の近くの事務所を探す

家の近くの事務所を探せば交通費の節約になりますので、費用を抑える方法としてオススメです。
何度も法律事務所に通っていると大きい費用になるので重要です。

また、離婚調停の場合に同時に考えておきたいのが、弁護士事務所から裁判所までの距離です。
こちらも近いほど弁護士の交通費が少なくなくて済みます。
離婚調停の場合は、どこの裁判所で調停を行うのかということも確認が必要になります。
裁判所が遠方の場合は、Web会議や電話会議による調停対応も可能ではあるものの、出廷の可能性がある場合には、遠方の裁判所だと日当・交通費等が発生することになります。

法テラスを利用する

離婚の際には、パートやアルバイト、専業主婦(主夫)など、経済的に弁護士へ依頼するのが難しい方もいるでしょう。

そこで利用したいのが、「法テラス」です。
法テラスを利用する場合は、着手金や報酬金の設定については法テラスの基準があるため、弁護士が独自に高額な費用を設定することはできません。
また、費用の支払いについてもいったん法テラスが立て替え払いをしてくれるため依頼者は法テラスに対して分割払いで費用を払うことが可能です。
法テラスとは、経済的理由などで弁護士に依頼できない人のため、無料相談などの支援をする国の独立行政法人です。
ただし、以下の要件に当てはまる方に限ります。

  • 収入や資産が一定基準以下であること
  • 勝訴の見込みがないとはいえないこと
  • 民事法律扶助の用紙に適すること

収入や資産については、手取りの平均月収と、現金や預貯金、有価証券などを対象に、以下のように定められています。

東京都特別区・大阪市などの地域に住んでいる場合

家族人数 収入基準 資産基準
1人 200,200円 180万円以下
2人 276,100円 250万円以下
3人 299,200円 270万円以下
4人 328,900円 300万円以下

出典:法テラス

上記以外の地域に住んでいる場合

家族人数 収入基準 資産基準
1人 182,000円 180万円以下
2人 251,000円 250万円以下
3人 272,000円 270万円以下
4人 299,000円 300万円以下

出典:法テラス

もし上記の基準を超えていたとしても、家賃や住宅ローン、医療費や教育費などを支払っているなど、やむを得ない事情がある場合、基準を満たす可能性があります。
法テラスは全国にあり、ココナラ法律相談からも「法テラス利用可」の弁護士が検索できますので、気になる方は相談を検討してみましょう。

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まとめ


離婚調停でかかる弁護士費用は、相談料や手付金など、様々な費用が合算されています。
交通費などの実費も含まれているため、相場には大きな差があります。

弁護士費用は相談時期が早ければ早いほど、費用負担を抑えられる可能性が高いです。
離婚を考えた場合は早めに弁護士に相談すると良いでしょう。
複数の弁護士事務所から相見積もりを取ったり、法テラスを利用したりと自分に合った方法を利用してくださいね。

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