ある日、突然「風俗店」から電話が・・・
「禁止行為の本番をされたことを確認したので、罰金100万円をいただきます」
しかし、そんな覚えは全くないし、100万円も払えない。
こうしたトラブル、稀ではないようです。
どうすればよいか、以下にまとめました。
▼この記事でわかること
- 風俗店、あるいはその代理人を名乗る人物から、身に覚えのない請求をされた場合、どうすればよいかわかります。
- 高額な請求が架空請求かどうかわからない場合にやるべきことがわかります。
- 風俗店からの高額な罰金請求に自分で対処する際のリスクがわかります。
▼こんな方におすすめ
- デリヘルやメンズエステなどの風俗店で「本番した」と身に覚えのない言いがかりをつけられている方
- 風俗店を名乗る人物から請求の電話を受けたが、どの風俗店から何の件で請求を受けているかわからない方
- 「風俗店」からの請求を受けて自分だけで対処できるか悩んでいる方
本番した覚えがないのに「罰金」?
デリヘルやファッションヘルスなど、本番禁止の風俗店を利用した。当然のように本番は我慢した。それにもかかわらず、後日お店から「罰金」を払うように言われた。
これは一体、どういうことなのでしょうか。
意外に多い、「風俗店」からの架空請求
一般的に、デリヘルやファッションヘルス、メンズエステ等では性行為、いわゆる「本番行為」が禁止されています。
もし掟に反して本番行為をした場合、サービス提供者である女の子、あるいは風俗店から「罰金」「違約金」「迷惑料」などの名目で、金銭を要求されることが多々あります。
しかし、これはあくまで「掟に反した場合」だけです。
本人は本番行為をした覚えがないのに、「罰金」と称して電話があった。この場合は架空請求である可能性も考えられます。
この手の話、頻発している、とまでは言いませんが、意外にある話のようです。
なお、請求元は①利用した風俗店が直接請求するケース、②風俗店とは全く関係のない第三者が「風俗店の代理人」等と称して、架空の請求をでっち上げるケースなどがあります。
特に①利用した風俗店が直接請求するケースの場合は、言いがかりによる架空請求の場合もあれば、サービス提供者である女の子・店・利用者のそれぞれの間で「本番行為があった」と誤解が生じた結果、お金の請求へと至る場合があります。そのため、何でもかんでも「架空請求として無視すれば良い」というわけではないところが難しいところです。
とはいえ、一つ言えるのは「慌てて行動しても良いことはない」ということです。
弁護士などの専門家に一度相談するなど、いずれの場合も落ち着いて対応することが求められます。
払ってしまう人も意外に多い
「架空請求」はあくまで架空の請求であり、請求に応じて払う必要は全くありません。
しかし以下の理由などにより、支払ってしまう人は意外に多いのが現実のようです。
【架空請求に応じてしまう主な理由】
- 風俗店に言っていたことが、家族にバレると困る
- 自分にも疾しいことがあり「やっちゃったかも?」と思ってしまう
- なんか怖いので払ってさっさとケリを付けたい
風俗店に行った、という、何がしかの疾しさから「自力で解決したい」「お金を払ってでもさっさと終わらせたい」という気持ちはわかります。
しかし、そうすること自体にリスクも潜んでいます。
一体、どんな問題があるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
やってはいけない、「覚えのない請求」への対応
風俗店を名乗る人物からの、架空請求?と思われる請求が来た場合、あわてて以下の行動を取ることは避けるのが賢明です。
呼び出しなどに応じ一人で風俗店との交渉に臨む
風俗店からの電話で「一度しっかり話し合いましょう」等と言われ、断り切れずに会ってしまった結果「身分証明書」のコピーを取られてしまったケースや「念書」を書かされてしまったケースなども多発しています。
こうした事態を避けるためには、風俗店から呼び出された場合は弁護士などの代理人を立てることが有効と言えそうです。
指定された振り込み先に支払う
「あわてて指定された振込先にお金を振り込む」ことは、最もやってはいけないことの一つです。
不安を煽って、早く振り込ませようとするのはこの手のトラブルにおける不当な請求手段です。
たとえば、電話をしてきた人物が「〇月◯日まで、こちらの口座に△△万円支払え。さもなければ、警察に連絡する」などと、脅しめいたことを言う場合もあるでしょう。
しかし、事実の確認もなしに振り込むのは間違っています。
ましてや、本人がやった覚えがないのであれば、「警察云々」と言われたところで慌てる必要はありません。
逆に、やみくもに支払いに応じてしまうと「コイツは騙せる」と思われて、その後も風俗絡み、あるいはそれ意外でも架空請求の標的となる可能性が高まります。
盲目的に振り込むのではなく、一呼吸置いてから、どうするべきか考えましょう。
自分から風俗店に連絡する
あえて真偽を正そうと、自分から風俗店に問い合わせることも避けたほうが良いでしょう。
架空請求の当事者が、全く風俗店の関係者ではない第三者である可能性もあります。
仮に第三者からの架空請求であっても、違約金について風俗店に問い合わせると、風俗店自体に「この人には違約金を請求できる」と思われてしまう可能性があります。
最悪の場合、何だかんだと理由をつけられて、風俗店と架空請求の当事者の両方から二重請求を受ける可能性も否定できません。
特に、複数の風俗店に行っている場合は要注意です。
片っ端から利用した風俗店に電話をして確認した挙げ句、三重、四重に請求を受ける可能性もなくはないからです。
では、身に覚えのない請求の電話を受けた場合、どうしたら良いのでしょうか。
望ましいのは「弁護士に相談する」ことです。以下で詳しく見ていきましょう。
風俗店から金銭の請求を受けたら弁護士へ
風俗店、あるいは風俗店の代理人を名乗る者から、「本番行為をした」と言いがかりをつけられ、いわれのない請求をされた場合、まずは弁護士に相談するのが得策です。
弁護士が全面に立つと、請求が止む場合も
本番行為にかかわる身に覚えのない請求、架空と思われる請求を受けた場合は、まずは弁護士に相談してみましょう。
風俗店関係者を名乗るものからの請求に関して弁護士を依頼した場合、その後の連絡はすべて弁護士を通して行われます。
弁護士が依頼者の代理人として前面に立つことで、依頼者は安心して日常生活を営むことができるというメリットがあります。
また、弁護士に依頼した場合は、事実に基づいて適正に対処してもらえます。
架空請求であれば、もちろんお金を支払う必要はありません。
弁護士の中には、風俗店絡みの架空請求だけでなく、風俗店で本番行為をしてしまった場合の違約金交渉や、風俗店で盗撮したことがバレた場合の対処など、風俗トラブル全般に精通している弁護士もいます。
こうした案件の取扱が多い弁護士に、一度相談してみるとよいでしょう。
実際の事例
風俗店関係者を名乗る人物からの架空請求について、弁護士に依頼した場合、どのように解決へと向かうのでしょうか。
ここでは、実際の事例をご紹介します。
(事例の提供:弁護士法人若井綜合法律事務所)
※プライバシーの関係上、内容の一部に修正を加えています。
【事件の内容】
Aさんのところに、デリヘルの運営会社を名乗る者から電話がありました。
電話口の男からは
「サービス提供者である女性が『お客から本番行為を強要され、本番させられた』と店に訴えた。店は女性に金銭を支払い、示談を済ませた」
「本番行為をしたことの違約金100万円を支払え」
と言われました。
しかし、Aさんには本番をした覚えがありません。
なお、Aさんはデリヘルが好きで、複数の店を利用していました。そのため、どこのお店とのトラブルか、自分では全くわからない状況でした。
すっかり困ったAさんは、弁護士に相談しました。
【結果】
依頼を受けた弁護士は、Aさんが利用したと思われる風俗店に1件ずつ電話をかけて、事の真偽を確かめました。
その結果、お店との間にトラブルはなく、第三者による架空請求であるとわかりました。Aさんはお金を支払わずに済みました。
【弁護士から見たポイント】
自分から風俗店に電話をして確認しようとすると、風俗店側からも架空請求をされ、二重三重にお金を支払ってしまう恐れがありました。
こうした事案は、弁護士にご依頼された方がよいケースと言えるでしょう。
まとめ
「本番行為があった」と言いがかりをつけられて、風俗店、あるいはその関係者を名乗る人物から高額な罰金を請求されるケースは意外にあるものです。
そうした場合、焦りは禁物です。架空請求であるからには、請求を受けた人は支払う必要がありません。
こうした事案の場合、まずは弁護士に相談してみましょう。弁護士に依頼すれば、架空請求に応じてしまう事態を防ぐことができます。
また、第三者からの請求を含めて二重三重に請求に応じてしまうリスクも回避できます。
「風俗トラブルは自力で対応せずに、弁護士に相談」。心に留めておきたいですね。