弁護士に自分の罪を話して大丈夫?通報される?弁護士の守秘義務とは

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この記事の監修

株式会社ココナラに在籍する弁護士が監修しています
株式会社ココナラ

「上司とダブル不倫中だが、相手の奥さんから慰謝料を請求された」
「ギャンブルで作った借金、サラ金からの催促から逃れたい」
「犯罪を犯してしまった。自首したい」

・・・「困ったときは弁護士に相談しよう」と聞いたことはあるけど、本当に大丈夫なの?
警察に通報されたり、家族にバレたりしない?

そんな不安をお持ちの方に、知ってほしいことをまとめました。

▼この記事でわかること

  • 弁護士に相談することで自分が不利になるかならないか、わかります。
  • 弁護士の守秘義務とは何か、わかります。
  • 弁護士以外にも弁護士の業務を依頼できるかどうか、わかります。

▼こんな方におすすめ

  • 弁護士に相談すると、かえって不利になるのではないかと不安な人
  • 弁護士が本当に秘密を守ってくれるのか心配な人
  • 「法律相談に乗るよ」と言われているが、依頼して大丈夫か、いぶかっている人

弁護士に相談して不利にならないか?

不倫、ギャンブルや浪費で作った借金、自分がやってしまった犯罪行為・・・
自分が抱えている「後ろめたいこと」は解決したいけれど、弁護士に話したら不利になってしまうのではないか?
そうした不安を持つ方もいるでしょう。弁護士に依頼したことがない人からすれば、なおさらです。

しかし、はっきり言います。
弁護士に依頼することで、あなたが不利になることはありません。

それはなぜでしょうか。やや堅苦しい話もありますが、以下で見ていきましょう。

弁護士は依頼者の権利を守るために活動する立場

一言でいうと、「弁護士は、依頼者の味方であるべき存在」です。
これは、単なる精神論でも何でもありません。

すべての弁護士が加入する団体である「日本弁護士連合会(日弁連)」が出している、弁護士職務基本規程にはっきりと書かれています。
万が一、弁護士がこれに違反した場合は業務停止などの重い罰則が課されます。

弁護士職務基本規定(抜粋)

第三章

(正当な利益の実現)
第二十一条 弁護士は、良心に従い、依頼者の権利及び正当な利益を実現するように努める。

(依頼者の意思の尊重)
第二十二条 弁護士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うも のとする。

(秘密の保持)
第二十三条 弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない。

何やら難しそうな言葉が並んでいますね。
たとえば、「人を殴って大ケガを負わせる、という罪を犯してしまった人(Aさん)を弁護する場合」に当てはめて考えてみましょう。

正当な利益の実現

Aさんは罪を犯しましたが、罪を犯したAさんにも法律で認められている権利があります。
例えば「話したくないことを話さなくても良い」権利、「拷問を受けない」権利、「不必要に重い罪を課されない」権利などです。
こうした権利を実現するために、弁護士を依頼することができます。

依頼者の意思の尊重

例えばAさんが「殴ってしまったことに対して、相手に反省の意を伝えたい」と考えていたとします。
その場合、弁護士はAさんに謝罪文を書いてもらい、相手方に渡したり、裁判で取り上げてもらうことで、Aさんの反省の気持ちを公式に伝えることができます。

秘密の保持

Aさんは、実は借金に悩んでいました。しかし、毎月の返済はなんとか支払っていました。また、負担は厳しいとはいえ、今後も支払い自体は続けていくつもりでした。
Aさんは弁護士に対して、相手を殴ってしまったことだけでなく、世間話として「借金が苦しんだよね〜」と漏らしました。とはいえ、借金の話は家族にも職場にもナイショで、誰にも知られたくありません。
この場合、弁護士は事件とは無関係なAさんの借金の話を誰かに話すようなことはしません。

まとめると、弁護士登録する者はすべて、依頼者の権利・利益を守るために活動する立場であり、またしなければならない立場である、と覚えておくといいでしょう。

弁護士に相談したら、家族にバレる?

「『弁護士は依頼者の味方』ということは分かったけれど、相談したこと自体、知られたくない」という場合もありますよね。

弁護士に相談したら、警察に、あるいは家族や職場にバレてしまうのでしょうか。
結論から言うと、弁護士から勝手にバラすことはありません。

ただし、例えば
「自ら警察に出頭したほうが依頼者にとって不利益が小さい(=利益が大きい)」
「家族の協力を得たほうが、より良い結果を得やすい」
などと考えた場合は、依頼者の了解を得た上で話すことはあります。

勝手に話すことはない。必要がある場合であっても、あくまで依頼者の了解を得てから、ということです。

弁護士に話した秘密が、第三者などに知られることはありますか?

基本的にはありません。弁護士職務基本規程23条で秘密の保持が定められています。
『依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない。』とあることから、依頼者の了承なしに職場や学校を含む第三者に話しにいくことはありません。
もちろん、依頼者について知り得た秘密を利用してビジネスをしたり、SNSに投稿するようなこともありません。

弁護士のホームページに事例が載っています。私の相談も載ってしまわないか心配です。

弁護士が過去手掛けた、あるいは現在手掛けた案件について、個人を特定できる形でホームページなどに掲載することは、弁護士職務基本規程23条の秘密の保持に違反する可能性があります。弁護士がこれに違反した場合、弁護士会から何らかの処分を受ける可能性もあります。
基本的には心配は不要だと思いますが、念の為、ということであれば、解決事例に載せてほしくない旨を弁護士に話しておくと安心でしょう。

弁護士に嘘を話すとどうなる?

人は誰しも、後ろめたいことは隠したい、と思うものです。
それは弁護士に相談するときも同じでしょう。

後ろめたいことを正直に話しても不利にはならないことは前にも言いましたが、反対に、弁護士に対して依頼者が嘘をついた場合はどうなるのでしょうか。

依頼した弁護士に対して嘘をつくことは、自分にとって不利な結果となる可能性がある、というのが答えです。

正直に話すのが怖いです。弁護士に嘘をついたり事実隠しするとどうなりますか?

弁護士の方から契約を解除される可能性があります。

前提として弁護士は依頼者の権利・利益を守る存在であるため、依頼者の主張を根拠なしに否定することはありません。
この点ではまず安心してもらいたいです。
しかし残念ながら、弁護士に嘘を言う依頼者の方は少なくありません。

 

弁護士職務基本規程43条で『受任した事件について 依頼者との間に信頼関係が失われ かつ、その回復が困難なときは、その旨を説明し、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。 』とあることから、嘘ばかりついてとても弁護活動ができないような場合、弁護士に委任契約を解除される可能性があります。

 

また、同75条で『虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない。』、さらに同14条で『詐欺的取引、暴力その他違法若しくは不正な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならない。』とあることから、「嘘ですがこんな主張でお願いします」や「訴えられないために、証拠隠滅や所得隠しの方法を教えて欲しい」などの依頼や相談に応えられる弁護士はいません。

正直に話しすぎると、弁護士は依頼を受けてくれないのではないでしょうか。

正直さが裏目に出ることありません。確かに弁護士には依頼を断る自由があります。しかし、例えば刑事事件ならニュースでも報道される通り、どんな被告人にも弁護士がついています。

 

重要なので繰り返しますが、弁護士は、依頼者の権利・利益を考え、依頼者にとって最大の味方となり交渉・訴訟などを進めていく立場です。是非安心して話してください。

秘密を守る義務「弁護士の守秘義務」について

弁護士には依頼者の秘密を守る義務があるという話は、前にも述べました。
この、依頼者の秘密を守る義務のことを「守秘義務」と言います。
漢字に直すと、いきなり難しくなりますね。

ところで、守秘義務、つまり守られるべき秘密とは、一体何を・どこまでを指すのでしょうか。
ここでは守秘義務についてよくある質問をQ&Aで見ていきます。

守秘義務の対象範囲は?無料相談なども対象ですか?

弁護士に相談した内容は、すべて守秘義務の対象となります。
依頼はもちろん、依頼せず相談だけで終わったケースも含みます。その有料・無料は問いませんし、対面面談、電話相談、メール相談、ネット相談なども含めてです。

 守秘義務に違反した弁護士はどうなりますか?

懲戒処分で業務停止等の処分がなされます。
依頼者の方との委任契約違反により、損害賠償義務が発生することや、秘密漏示罪として処罰される可能性もあります。

そもそもどんな内容が秘密になりますか?

依頼者の個人情報・企業情報はもちろん、弁護士に対して相談した内容や弁護士が調べてわかったことなど、未公開かつ依頼者が公開することに同意していないことすべてです。専門的な説明を補足すると、依頼者にとっての主観的な秘密と、客観的な秘密の両方と言えます。

 

前者は依頼者が特に秘密にしておきたいと考えるものであり、過去の犯罪・非行、親族関係、財産状況、住居、勤務先など、依頼者のプライバシーに関わることすべてです。
後者は一般から見て秘密と言えることであり、依頼者から直接聞き取ったこと以外でも、弁護士照会による調査など弁護士が職務上知り得たことはこれに該当します。

守秘義務の例外「正当な理由」とは

「弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない。」
この記事で何度も出てきた弁護士職務基本規程第23条ですが、裏を返せば、もし弁護士に「正当な理由」があったら、秘密を開示しても良いようにも取れます。

この「正当な理由」とは何でしょうか。ポイントを以下に説明します。

秘密保持の例外「正当な理由」の中身

依頼者に拘る秘密保持に関して、以下の場合は「正当な理由」があるものとして、例外的に情報を開示しても良いこととされています。

依頼者本人の承諾がある場合

弁護士が依頼人の秘密の内容について、情報を開示したほうが依頼者の利益を守れると判断し、なおかつ依頼者本人が納得する場合です。弁護士と依頼者が相談し、開示のメリット・デメリットを依頼者本人が納得した上で公開されます。

依頼者が重大な犯罪行為を今にも起こすことが明確な場合

依頼者が犯罪予告をするケースなどです。
例えば「今から△△警察署に向かい、ガソリンを撒いて火を付けてやる!」などです。

依頼事件に関連し、弁護士自身が訴えられる/訴えるときの主張に必要不可欠な場合

依頼者の方と弁護士が法的トラブルになり、調停や裁判になったとき、弁護士が秘密保持のためになんの主張もできないとなっては筋が通りません。こうした場合は守秘義務の例外となります。

上の2番めと3番めのケースが守秘義務の例外として扱われることについては、常識的に考えて納得の行かないものではないでしょう。
残りのケース、1番目についてですが、これはあくまで「依頼者の同意がある場合に限定」です。
つまり、依頼者本人の同意がない限り、例外と言えども秘密は守られると考えて問題ありません。

弁護士以外の人に「秘密」を話すのはアリ?

上でも述べたの通り、弁護士の守秘義務はかなり強力な「義務」であるため、相談者の方は秘密を安心して話すことができます。
ところで、他の士業や民間企業、個人へ、冒頭にあるような秘密を相談する場合はどうなるのでしょうか。以下で見ていきましょう。

他の「〇〇士」にも秘密を相談できる?

大前提として、日本において法律相談ができるのは弁護士だけ、と法律で決められています。
したがって司法書士、行政書士、税理士など他の士業の方々へ法律相談をお願いしても受け付けてもらえません。
これは弁護士法72条に定められている、非弁行為という違法行為になってしまうためです。
※訴額が小さい等の条件に当てはまる場合のみ、司法書士も法律相談を受け付けることができる場合があります。

一般的に借金、離婚などに詳しいイメージがある司法書士、ビザや各種申請に詳しいイメージのある行政書士、相続や不動産に詳しいイメージのある税理士など弁護士以外にも専門的な士業の方々はたくさんいます。
しかし、その業務範囲は主に書類の作成代行です。
したがって依頼者の方から法律トラブルの相談を受け、解決方針を示したり、トラブルの相手と交渉を行ったりもできません。

冒頭にあるような、離婚や借金、犯罪行為について相談をする場合、「法律的に解決したい」場合は弁護士にのみ依頼できます。
司法書士や行政書士や税理士に対して「法律的に解決したい」と相談することはできません。
もし相談するとしたら、それはあくまで「個人」として相談することになります。
したがって、当然、「守秘義務」云々の話は関係しない、ということになります。もちろん、法律的な解決を依頼することも、受けることもできません。

「私、法律詳しいから相談乗るよ」はアリ?

「私、離婚したから法律詳しいよ。良かったら相談に乗るよ」「えっホント?じゃあお願い!」
こうした具合で、法律関係に詳しそうで頼りがいのある友人・知人、さらには占い師や心理カウンセラーに相談するというケースもよく耳にします。

しかし、彼らは法律の専門家でもなければ、多くの場合は契約書を取り交わさずに行われることから、正しいことを言っているのか不明確です。
信頼関係が崩れたときに、言った・言わないのトラブルになったり、最悪の場合は口止め料を請求された、脅されたといった別の事件に発展するケースも多く見受けられます。

ましてや、法律に踏み込んだ相談を受けたり、法律的な手続きを手伝った人が、その見返りに対価をもらうことは「非弁行為」に当たります。

絶対に他人に知られたくないような内容や、法律に則って具体的に解決するためのアドバイスをもらうための相談は、弁護士に相談されることをおすすめします。

「弁護士」を騙る人に注意!

弁護士に頼めること、頼めないこと

ここまで、弁護士には守秘義務があるから安心して相談してほしいとお伝えしました。
さらにその守秘義務の範囲は、対面はもちろんメールや電話も含むことも確かです。

しかしメールやSNSが発達した昨今において、実名を出さずにアカウントを作り善意で相談にのる弁護士もいる一方で、弁護士ではない人が弁護士を名乗る偽弁護士のケースも想定されます。
また、昔から電話で実在する弁護士名を名乗り、秘密情報を聞き出す詐欺的な犯罪行為もあります。
こうした犯罪行為から身を守るためにはどうしたら良いのでしょうか。

知らない「弁護士」から連絡があった場合

「弁護士」を名乗る人から電話があった場合、まずは本人かどうか確かめることが大切です。
まずはその場で会話に応じず、名前を聞いて、一旦電話を切りましょう。その際、事務所の番号に折り返す旨を伝えられるとベターです。

次に、日本弁護士連合会(日弁連)の弁護士検索で調べ、実在性と本人であることを確認しましょう。
弁護士検索のページには、氏名、弁護士登録番号、所属弁護士会、所属事務所名、事務所所在地、電話番号、FAX番号などが記されています。
弁護士は所在地や所属事務所が変わった場合、速やかに弁護士会に届け出ることとされています。そのため、この情報は頻繁に更新されています。

電話してきた弁護士に関する情報を得たら、日弁連の弁護士検索に登録されている、事務所の電話番号に折り返しましょう。本人につながったところで初めて、要件を相談する・聞くようにしましょう。

万が一、怪しいと思われる場合はすぐに警察に連絡しましょう。

こちらから初めて弁護士へ連絡する場合

インターネットが発達した昨今、法律事務所も独自のホームページを持っていることが多くあります。
しかし、中には本当に実態があるのか、怪しまれるホームページもなくはありません。本物の弁護士事務所かどうか、見分けるにはどうしたら良いのでしょうか。

弁護士名が公表されている相手に連絡しましょう

一般的に弁護士は自身の名前が看板であるため、ニックネームや匿名で活動している弁護士はいません。
もちろんSNSや公開Q&Aなどで伏せる場合はありますが、それはおそらく発信専用、もしくはプライベートなやりとりをするアカウントである可能性が高いです。
したがって、対面したことのない方との法律相談のやりとりには適していないように思われます。

弁護士名が明記されている民間運営サイトでは最新性を確認しましょう

民間運営の弁護士検索サイトの多くは、弁護士への本人確認等がしっかりとなされています。本人確認の方法は、日弁連の弁護士検索で照会のほか、申込書の取り交わしやメール認証、FAX認証、電話確認などです。

例えばココナラ法律相談では、日弁連の弁護士検索で照会を必須とした上で、この他2種類以上の確認を行わないと掲載開始できない仕組みになっています。

他方、中には他サービスの記載を転載しているだけのサイトや、最初に掲載した内容から何年も更新されていないものもあります。
面談予約の際は、確認の意味を込めて日弁連サイトで弁護士検索で実在性と最新性を確かめましょう。
特に面談場所(事務所所在地)については弁護士に直接確認すると安心です。

まとめ

この記事では、「弁護士に相談すると不利にならないか」「弁護士に相談した秘密が外に漏れるのではないか」という疑問について答えてきました。

弁護士は依頼者の権利のために行動する義務を負っています。また、依頼者の秘密を守るべきであるという守秘義務を負っています。そのため、話しにくいこと、後ろめたいことであっても正直に相談して大丈夫です。

一方、弁護士の名を騙って法律相談を勧誘したり、偽りのホームページで集客をする業者がいることも否定できません。弁護士から連絡を受けたり、初めて弁護士に相談するときには、本当に実在する人物かどうか、事務所の所在地は正しいかなど、よく確認してから相談や依頼をするようにしましょう。

この記事の監修

株式会社ココナラに在籍する弁護士が監修しています
株式会社ココナラ
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