弁護士・司法書士・行政書士の違い│法律相談は誰に依頼できる?

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株式会社ココナラに在籍する弁護士が監修しています
株式会社ココナラ

最近テレビでも「過払い金の返還」だとか、「浮気調査や離婚トラブル」で「弁護士や司法書士に相談を!」とは耳にするものの正直、何か相談したくても気後れしますよね。
そもそも職業の違いもよく分からないのが現状です。

特に今年はコロナが発生したりして「急に解雇された」なんてニュースを聞くと、法律問題?も他人事じゃないし…
「これからの人生考えると法律の専門家を知っておくのは自分や家族を守るためにも必要かな」って思っている方も多いと思います。

そんな方のために簡単にそれぞれの職業の専門領域をまとめてみました。

▼この記事でわかること

  • 弁護士・司法書士・行政書士の違いが分かります。

▼こんな方におすすめ

  • 「弁護士・司法書士・行政書士は似ているから、誰に依頼したらいいかわからない」と思っている方

弁護士・司法書士・行政書士って何をする人?

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弁護士・司法書士・行政書士は、それぞれに扱える内容が法律で決められています。逆に言えば、法律で決められた内容の業務以外の事を行うと法律違反になってしまうため、取り扱うことができません。ここでは「誰が何をできるのか」について、詳しく見ていきます。

弁護士

法律事務全般を行うことを職務としています。
具体的には以下が挙げられます。

  • 法律相談
  • 紛争への対応(交渉・調停や審判への参加など)
  • 裁判手続き  など

特に、法律相談を受けることができるのは原則弁護士だけです。司法書士や行政書士にはごく一部の例外を除いて法律相談を受けてもらえないという点は注意したほうが良いでしょう。

法律トラブルについての相談から相手方との交渉・裁判への対応まで、法律問題全般を扱うことができるのは弁護士だけです。
弁護士には、法律相談・調停や裁判への出席などに加えて、調停や裁判に関連した書類作成もお願いできます。法律問題に関してオールインワンの対応をしてもらいたい人は、弁護士にご相談すると良いでしょう。

司法書士

司法書士は、法律事務の中でも特に登記の専門家です。
登記については弁護士でもできますが、特定分野の登記に限定して取り扱う司法書士事務所も多いため、「専門性のある人に依頼したい」というときに有力な選択肢となりえます。

【特化する業務の例】

  • 不動産登記
  • 商業登記
  • 債務整理
  • 成年後見  など

登記とは

登記とは法務局が管理する公の帳簿に、不動産に関する情報や法人に関する情報を記載する制度の事です。例えば、甲さんが所有する土地Aを乙さんに売った場合、土地Aの所有権を変更する登記をすることになります。

自宅を購入したときの登記や、自己破産したときの書類作成をするのが司法書士です。
また、簡易裁判所が取り扱うことができる事件については、「認定司法書士」のみに限り、法律相談・交渉・訴訟まで行うことができます。
弁護士がいない地域にも司法書士がいる場合も多いのでで、実際に法律上の代理人にはなれないにしろ、法的な相談をしたい場合に頼りになる存在です。

行政書士

法律事務の中でも特に許認可申請書類を作成する専門家です。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。

【申請書類の例】
飲食店営業許可申請書・建設業許可申請書・旅館営業許可申請書・農地転用許可申請書・宅地建物取引業免許許可申請書・道路使用許可申請書・風俗営業許可申請書・NPO法人許可申請書・個人タクシー免許申請書・建築確認申請書・旅行業登録申請書・医療法人設立許可申請書など。(その他多数)

これらの書類は弁護士でも作成できますが、行政書士の方が日常的に申請書類を作成しているため、書類の作成に関しては弁護士よりも専門性が高い場合があります。

行政書士が作成できる書類は、許認可申請書類・主に官公署に提出する書類、権利義務・事実証明に関する書類です。

「許認可に関わる書類作成」だけなら行政書士にご依頼ください。

 

弁護士と司法書士の違いは?

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おさらいになりますが、弁護士と司法書士の違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
弁護士はあらゆる法律相談、交渉、紛争、訴訟などができるのに対し、司法書士は不動産や会社の登記、供託などの特定の業務のみを扱うことができます。
通常は法律相談を行うことはできません。しかし、例外として、以下の両方を満たす場合は法律相談を行うことができます。

  • 法務大臣の受けた司法書士(認定司法書士)であること
  • 簡易裁判所が扱う案件であること。具体的には訴額が140万円に満たないものであること。

なお、請求額が140万円以下で司法書士に相談し、簡易裁判所で判決が出たが、当事者どちらかが不服があり上訴し、地方裁判所において第2審に移行した場合は、新たに弁護士を選任しなくてはなりません。司法書士は簡易裁判所の手続きにしか関わることができないからです。

全部お任せしたいなら弁護士一択

登記以外の法律相談、法律行為の代理人となる依頼をするときは弁護士が適任です。

登記のみなら司法書士

登記で困ったときは司法書士に相談するとよいでしょう。特に登記の専門家である司法書士は、弁護士よりも詳しい場合が多いです。

簡易裁判所で判決が出た後、どちらかの上訴により、地方裁判所の第2審に移行した場合は弁護士の出番です。
そうなると新たに弁護士を選任することになるので、ケースバイケースですが、長引くことが予想される場合は最初から弁護士に依頼する方が心強いかもしれません。

弁護士と行政書士の違いは?

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弁護士と行政書士の違いについても見ておきましょう。
行政書士は、許認可に関わる行政手続を専門とする法律家です。これらの手続きは弁護士でも行うことができます。
逆に、行政書士は法律相談などの業務については行うことができません。あくまで許認可に関わる行政書類を作成するのが行政書士の業務範囲となります。

書類のエキスパート行政書士

行政書士は官公署に申請する許認可等関連書類、権利義務・事実証明に関する書類(内容証明書、遺産分割協議書、契約書、示談書)等の書類を作成することができます。
行政機関に対して申請したい内容は定まっているが、作成が面倒であったり、作成方法がわからない等、形式的な部分に迷う点がある場合は行政書士に相談するのが良いでしょう。

行政書士は原則として、法律相談をすることはできません。
権利業務・事実証明に関する書類(内容証明書、遺産分割協議書、契約書、示談書等)については法律相談の上内容を決めるべきケースが多いため、まずは弁護士に相談するのが得策と言えそうです。
書類に記載する内容は決めたものの作成するのが面倒、あるいはやり方がわからない等といった場合は、自分で手をつけるよりエキスパートの行政書士に頼む方がスムーズかもしれません。

 

繰り返しになりますが、行政書士には法律相談はできません。相談のうえ、内容を決めるべきケースであれば弁護士にご相談ください。

 

よくある質問

弁護士 仕事内容 よくある質問

相続で遺産分割協議書を作成したいのですが、書き方がわかりません。

どちらにも相談できます。
ただし、行政書士に相談できるのは、どのような「文章」で遺産分割協議書を作成するかどうか、に限られます。どのような「内容」の遺産分割協議書にするかという相談は弁護士にする必要があります。
特に遺産分割方法(誰が何を相続するか等)に争いがある場合には、弁護士に相談する必要があります。

お金をかえしてくれない債務者に、内容証明郵便を出したいのですが。

自分が言ったことをそのまま書類にして作成したい場合は、行政書士にも弁護士にも依頼できます。
自分が行ったことを法的主張として組み立て、根拠ある請求する場合、弁護士に相談して作成を依頼する必要があります。

まとめ

士業の違い まとめ
この記事では、弁護士・司法書士・行政書士のそれぞれの仕事内容や、よくありがちな問題の適切な相談先について説明しました。

それぞれの職業の専門領域を事前に知っておく事で、「より良い相談先はどこか知りたい」」という方への、一つの目安となれば幸いです。

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