同じようなトラブルを抱えた方に向けたリアルな体験談をココナラ法律相談編集部が取材した記事です。 「この先がわからない不安」に読者の方々は直面されていることと思います。似た体験をされた方のリアルをお伝えすることが、踏み出す一歩への心強さになれば幸いです。 |
誰しもが気軽に使えるSNS上では、誹謗中傷・名誉毀損等によるトラブルが後を絶ちません。不用意な投稿により、ある日突然被害に遭う可能性もあるため、SNSをよく利用する方はトラブルの当事者になったときのために解決方法を知っておくと良いでしょう。
そこで、実際に名誉毀損の被害者として、ココナラ法律相談を通じて弁護士に依頼をし、トラブル解決に至った相談者に、その全容について話を伺いました。
インターネットの誹謗中傷・名誉毀損等の被害について弁護士に依頼すると、どのようなプロセスを経て問題解決へと向かうのでしょうか。
法律トラブルの概要 | |
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相談者 | 40代 男性 会社員 |
相談内容 |
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解決期間 | 約2年 |
依頼〜解決までの流れ |
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示談内容 |
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アプリで知り合った女性からのSNSによる誹謗中傷。解決までの期間の長さに当惑
──今回どのようなトラブルの被害に遭ったのでしょうか。
当時、私がマッチングアプリで知り合った女性とメッセージのやりとりをしていたのですが、そのトークルームの内容をX(旧Twitter)に晒されてしまったのです。
ただ晒されただけでなく、私のフルネームや個人情報までわかる形で投稿されていました。
私はその女性と数回の食事を経て、さらに関係を深めたいと思っていたので、メッセージでも好意を伝えるような内容を送っていました。
ただ相手からも「また会いたい」と連絡をいただいていたので、関係性は良好だと思っていました。
そんな中で、勤務先の広報部から連絡があり「X(旧Twitter)にこのような投稿があったので、対応したほうがよいのでは」と言われてこの事実が発覚したのです。
──実際にその投稿をみたときは、さぞかし血の気の引く思いをされたのではと想像できます。その後、どのような行動をしたのですか。
広報部から連絡をもらったのが夜11時くらいだったのですが、その日のうちにすぐにX(旧Twitter)に削除依頼をしました。
複数回にわたり投稿されていたので、X(旧Twitter)社の判断により削除されない投稿があったり、削除されるにしても数日を要したりと簡単にはいきませんでしたね。
その間も相手は同様の投稿を繰り返していたため、「埒が明かない」と思い、本腰を入れて解決すべきだと思ったのです。
そこでX(旧Twitter)への削除依頼と並行して、弁護士へ相談をしようと決めました。
──まず、どのように弁護士を探したのですか。
最初は「Twitter 削除」などのキーワードでネット検索し、表示された法律事務所に連絡を取りました。
その法律事務所では、まずオペレーターの方が話を聞いてくれましたが、「賠償請求できるまで数年かかるうえに、弁護士費用も100万円近くかかるので、望む結果は得られない」と言われてしまったのです。
その際に知ったのですが、X(旧Twitter)上での名誉毀損を訴えるためには、①X(旧Twitter)社へIPアドレス・タイムスタンプなどの情報開示を請求、②プロバイダーへの契約者の住所や氏名などの情報開示を請求、③相手方に損害賠償請求という3つの手順を踏まなければならないのですよね。
結局その法律事務所では直接弁護士と話せず、どの弁護士が対応してくれるかも不明のまま、オペレーターがシステマチックに対応していく形が私には合わないなと感じ、別の弁護士を検討することにしたのです。
また「もっと早く解決できないものか」と思い、探偵事務所にも相談したのですが、結局相手に「自分ではない」と白を切られたら為す術がないため、弁護士を探すべきだと提案されました。
そこで、改めてネット検索をするなかでココナラ法律相談を知り、掲載されている弁護士から依頼先を探してみたのです。
電話相談後すぐにLINEで連携。弁護士の対応力に感動し依頼へ
──ココナラ法律相談を使ってみて、どうでしたか。
まず、最初に問い合わせた法律事務所で気になっていた「どんな弁護士が対応してくれるかがわからない」という点を解消できたのが良かったです。
ココナラ法律相談は、それぞれの弁護士がどの分野に長けているかがわかるのはもちろん、インタビュー等の掲載内容を通して弁護士の人物像がイメージしやすくなっている点が良いと思いました。
私はビジネスライクな対応ではなく、「人」として気持ちに寄り添ってくれるような弁護士を探していたため、この方法が合っていたのです。
そこでまずは自宅や勤務先に近く、インターネットの誹謗中傷に強い先生を絞り込み検索し、表示された弁護士のなかで相性が良さそうな方を複数選定して電話をしていきました。
多くは「難しい」「時間がかかる」と言われてしまい、難航していましたが、そのうちの1人の弁護士がとても親身に寄り添ってくれる良い方だったのです。
──その弁護士は、どのような対応をしてくれたのでしょうか。
電話した際に、その弁護士がたまたま空き時間だったことが功を奏したのか、そのまま1時間くらい話を聞いてくれたのです。
私もここまで長い時間、弁護士が電話で直接話を聞いてくれるとは思っていなかったので、とても嬉しかったですね。
その弁護士は話を聞いたうえで、すぐにLINEのビジネスアカウントを共有し「いつでも連絡していいですよ」と言ってくれ、必要な調査にもすぐにとりかかってくれました。
当時、焦燥感に駆られて「いち早く何か行動したい」と思っていた中で、このスピード感や、寄り添ってくれた弁護士の行動には、とても救われる思いでした。
その2〜3日後、改めて法律事務所に訪問し、本格的に依頼させていただく運びとなりました。
示談金は赤字。でも、それより強い満足感を得られた
──依頼後は、どのように解決へ向かっていったのでしょうか。
まず、弁護士からLINEで開示請求のために必要な資料等を指示していただき、用意した内容をLINEでお送りしました。
その後のX(旧Twitter)やプロバイダに対する対応は、すべて弁護士が対応してくれましたね。
私のケースだと最初に削除申請をしていて対象のURLが削除されていたので、裁判で認められるか難しいところがあったのですが、幸いスクリーンショットを撮って保存していたため、何とか手続きを進めることができました。
すべて弁護士と直通で、LINE上からやり取りできたので、スムーズかつタイムリーでとてもやりやすかったです。
実際に発信者情報開示請求訴訟で勝訴した際も、LINEですぐに連絡をしてくれました。
──発信者情報開示請求訴訟で勝訴するまでは、どのくらいの期間がかかったのですか。
X(旧Twitter)社に対し裁判上で開示命令を申立てた後、半年ほどで認められ投稿者のIPアドレスやタイムスタンプなどの情報が開示されました。
その後、プロバイダへ開示命令を申立ててから情報開示までは、1年ほどの期間を要しましたね。
ただ相手が開示請求されたという通知(意見照会書)を受け取った時点でX(旧Twitter)への投稿は止まっていたので、ひとまずは少し安心できました。
その後、相手に直接損害賠償請求をする流れとなったのです。
──相手との交渉はどのように進んでいったのですか。
開示請求訴訟で勝訴したことで、裁判上でも相手が悪いと認められたので、方針としては、刑事告訴・民事裁判・示談の3つがあると弁護士から明示されました。
ただ私は早くこの件を終わらせたい思いもありましたので、民事事件として名誉毀損での損害賠償請求を進めたうえで、示談を目指す方針に決めました。
民事裁判では今回私が支払った弁護士費用分も相手に請求したかったので、弁護士費用の約80万円+200万円ほど請求しました。
また私自身、相手に対してとても腹が立っていたため、あわせて直接の謝罪を求めたのです。
結果として、約50万円で示談成立という形になりました。
結局赤字にはなってしまいましたが、開示請求の手続きなど絶対に自分ひとりでは進められなかったので、失った金額よりも問題が解決できたことに対する弁護士への感謝の気持ちが強かったです。
弁護士は思ったよりも身近な存在。グレーのまま問題を放置せず、まずは相談を
──今回、初めて弁護士に依頼をしてみて、弁護士に対する印象の変化はありましたか?
今回依頼に至るまでに複数の弁護士に電話をしたのですが、たとえ短時間でも直接きちんと話を聞いて、アドバイスをくれました。
そのことで、今までは雲の上のような縁遠い存在と思っていましたが、何かあったら相談しようと思える存在に変わりましたね。
特に今回担当いただいた弁護士に対しては、心から相談してよかったと思っています。
実際に依頼の最中で、相手からの投稿は止まったため「もう投稿しなくなったから様子見にしよう」という選択肢もあったかと思います。
ただ私のなかでまた投稿するのではという不安が常につきまとい、爆弾を抱えているような状態だったので、解決したいという思いは強くありました。
その思いに伴走してくれた弁護士には、感謝してもしきれないです。
──解決までに長い期間を要したので、気が休まらなかったのではないでしょうか。
弁護士はとてもスピーディーに対応してくれたのですが、裁判の日程が2,3ヶ月おきのため中々進まず、もどかしい日々ではありました。
裁判期間中は法律相談Q&Aで同じような悩みを抱える人の投稿を見て「仲間がいる」と思ったり、弁護士が「大丈夫、解決できる」と回答している様子をみて安心したりしていましたね(笑)。
情報開示請求を題材にしたマンガ等を見て、今後の流れについて理解を深めたりもしていました。
長期間かかりましたが、このようなコンテンツをみることで励まされながら日常を過ごしていました。
──最後に、同じようなトラブルを抱えている方に伝えたいことはありますか。
私も以前は弁護士に対して敷居の高さを感じていたのですが、今回相談してみて弁護士のなかには親身に話を聞いてくれる人もいて、身近な存在であることを実感しました。
何より、今回解決できなければこの先の人生ずっと悩みを抱えるところでしたので、グレーのままにせずしっかり白黒つけるという選択は人生を回復させるために必要だったと思っています。
もし相談を躊躇されている方がいれば、まずは無料相談で具体的な話を聞いてみると解決までの見通しが立てられると思います。
皆さまの問題が解決して、1日でも早く笑顔で生活を送れる日が来ることを願っています。
インタビュー後記
今回のインタビュー対象者は、インターネットの誹謗中傷の被害について弁護士へ依頼し、示談が成立するまで約2年の期間を要したとのことでした。
インターネットの誹謗中傷・名誉毀損の投稿に対する削除請求・損害賠償請求は、弁護士への依頼によってすぐに解決できるとは限らず、ある程度期間や、相応する弁護士費用等がかかるものです。
ただ、裁判所を通して罪の所在を明らかにし、きちんと相手に罪を償ってもらうには、弁護士のサポートが必要不可欠です。
トラブルと向き合ったうえで示談または裁判で解決するという手順を踏むことで、自分の気持ちの落とし所も見つけやすくなり、その後の人生を前向きに過ごしやすくなるでしょう。
インターネットの誹謗中傷被害に遭い、悶々とした気持ちを抱えて苦しんでいるのならば、すぐに弁護士に相談してみることをおすすめします。