クレジットカードのキャッシング機能は、手元にお金がないとき、ATMからすぐに現金を引き出すことができるので便利です。
しかし、キャッシングはその手軽さゆえに、借り過ぎてしまい、後々返済ができず借金地獄へ・・・と発展してしまうケースもあります。
特にキャッシングは金利も高いため、気軽に借りていると雪だるま式に借金が増えていく恐れがあります。
本記事では、キャッシングの基礎知識やキャッシングの上手な使い方、もしキャッシングの返済ができなくなったらどのような対策をすれば良いかを解説します。
▼この記事でわかること
- キャッシングの仕組みについて理解できます。
- キャッシングで借金地獄に陥らない方法を知ることができます。
- キャッシングで借金苦となってしまった場合の対処法を知ることができます。
▼こんな方におすすめ
- 預金引き出しのような感覚でキャッシングをしてしまう方
- キャッシングに罪悪感がなかったが気づいたら大変なことになっている方
- キャッシングの返済ができず解決策を知りたい方
キャッシングの基礎知識
まずは、キャッシングとカードローンの違い、キャッシングにおける金利などについて解説します。
キャッシングとカードローンの違い
キャッシングとカードローンは混同されがちですが、正確には別物です。
カードローンは、銀行や消費者金融等の金融機関が提供する貸付であり、いわば「融資」です。あらかじめ利用者に対して審査を行い、その限度枠内については専用のカードを用いて借り入れたり返済したりすることを自由に行うことができます。
一方、キャッシングとは、一般的にクレジットカードに付帯したキャッシング機能を利用して現金を引き出すことを言います。クレジットカードのキャッシング枠内であれば、ATMを操作して直接、現金を引き出すことができます。
キャッシングはカードローンと比べて引き出せる現金の利用額は小さいのが一般的です。
キャッシングは金利が高い
キャッシングによる借入について一つ注意すべき点として、高い金利が挙げられます。
クレジットカードでのキャッシングは手軽なため、普段から何気なく使ってしまいがちです。
しかし、キャッシングは15%以上の金利が設定されている場合も多く、消費者金融からの借入とほとんど変わりません。
例えば、50万円をキャッシングし、3年間かけて返済する場合、金利が18%だと3年間トータルで約14万円の利息が発生します。
また、失業や病気による離職など、何らかの事情で月々の返済額を減らさざるを得なくなった場合は、元本の50万円は全く減らずに利息だけを支払い続けることになってしまうという事態も考えられます。
借金地獄に陥らないキャッシングの使い方
便利だけれども、使い方によっては借金地獄に陥りかねないキャッシング。利用する際は何に注意したら良いのでしょうか。
キャッシングは借金だと自覚する
まず大切なこととして、「キャッシングは借金」だと自覚しましょう。
キャッシングは銀行預金を引き出す感覚で利用できますが、明確に「借金」です。
返済する際には、高い金利とともに支払わなければなりません。どんなに手軽に現金を手にできようと、キャッシングで得たお金は「返さなければならないお金である」ということを忘れてはなりません。
生活費のためにキャッシングは使わない
日々の生活費のためにキャッシングを利用している場合は要注意です。
キャッシングに頼る生活を続けていると、気づけば多額の借金を抱えていることがあります。収入の増加が見込めない状況で、キャッシングに依存し続けるのは危険です。
キャッシングはあくまで返済の見込みがある状況で、一時的にまとまったお金が必要な場合にだけ利用するようにしましょう。
繰り上げ返済をする
キャッシングの残高があって、手元にまとまったお金が入ってきた場合、繰り上げ返済によって支払総額を抑えることを考えましょう。
例えば、サラリーマンで決まった時期にボーナスなどのまとまった収入が入った場合は、早めに繰り上げ返済を行って返済期間を短くしましょう。返済期間が短くなると、それだけ支払わなければならない利息も減り、返済総額が少なくなります。
また、繰り上げ返済は元金のみに充てられるため、効率良くキャッシングの残高を減らすことが可能です。
ただし、繰り上げ返済はあくまで生活費を除いた家計の余剰部分から捻出することが必要です。目先の生活に支障が出ない、無理のない範囲で繰り上げ返済を行うことが大切です。
キャッシングのためにキャッシングをしない
キャッシングの残高が溜まってくると「キャッシングの残高を減らすために、ほかのカードでキャッシングして返」したくなるかもしれません。しかし、これはやってはいけません。
多重債務は借金地獄の入り口です。
特に、他の借金を返済するために新たにキャッシングをすると、利息がどんどん膨れ上がり、借金地獄に陥ってしまいます。
複数の借入先から借金をしなければならない状況では、すでに返済能力を超えた借金を抱えているケースがほとんどのため、新たにキャッシングをする前に弁護士に借金問題を相談したほうが良いでしょう。
キャッシングで借金地獄になった場合の対処法
キャッシングで借金問題を抱えてしまい、約束の日までに返済ができない場合、どうしたら良いのでしょうか。
まずは借入先に相談してみましょう。それでも解決しない場合は、債務整理を検討しましょう。
まずは借入先に相談する
予定の返済日までに返済ができない場合は、必ず借入先に連絡をしましょう。数日程度であれば返済を待ってもらえるケースがあります。
すでに返済が滞っている場合は、借入先からの連絡を無視しないようにしましょう。
借入先からの連絡を無視し続けると、督促や催告、差し押さえなどに発展します。
借入先に相談しても数日以上返済を待ってもらえることは期待できません。返済の目途が立たない場合は、決して新たな借入などはせず、債務整理などを検討する必要があります。
債務整理を検討する
一時的に返済を待ってもらえたとしても、次の支払期日までに返せなければ、本質的な解決にはなりません。こうした場合は任意整理など、債務整理を検討しましょう。
毎月のキャッシングの返済が苦しい場合は、返済能力以上の借入をしてしまっていると考えられます。
このようなケースでは、債務整理により月々の返済額を減らす、あるいは債務そのものを減免してもらうなどして、無理のない返済プランに変更する必要があります。
例えば債務整理の一つである「任意整理」では、借入先と交渉することで、利息のカットや月々の返済額を見直し、毎月無理なく3~5年で返済するようにできる場合があります。
ただし、任意整理では解決できない場合も考えられます。その場合は個人再生や自己破産を検討することになります。
個人再生は住宅ローン以外の借金を大幅に減らすことができる手段です。また、自己破産では多くの場合、借金をゼロにできます。
特にキャッシングだけでは多額の借金になっていなくても、他の借金の返済が積み重なってキャッシングの返済も滞っている場合は、これらの手続きで借金地獄から抜け出せる可能性があります。
キャッシングの支払いに困ったら弁護士に相談してみよう
キャッシングの支払いができなくなったら、早い段階で弁護士に相談するのも一つの手です。
債務整理を弁護士に依頼すると、相談した人の状況に合わせた方策を考えてもらうことができます。まずは相談だけでもお願いする、というのも良いかもしれません。
まとめ
キャッシングは手軽さゆえに、つい日常的に利用してしまいがちです。しかし、その中身は借金です。利率についても、消費者金融から借金をした場合と同程度の高い金利が発生します。
そのため、キャッシングを利用する際は、まずはキャッシングを借金だとしっかり自覚しましょう。そのうえで、生活費のためには使わない、必要に応じて繰り上げ返済をする、多重債務に陥らないなど、借金地獄を回避する手段を講じる必要があります。
また、すでにキャッシングの返済が滞っている場合は、弁護士に相談の上、債務整理などの手続きを検討するのも一手です。債務整理であれば、利息や返済額の見直し、借金の減額などを行うことができるため、借金問題を解決できる可能性があります。