銀行のカードローンは、「銀行」が扱うカードローンのため、安心感から気軽に借入をする方が多くいます。
しかし、借入した当初は返済できる見込みがあっても、病気や経済状況の変化により、支払いが難しくなるケースもあります。
また、銀行のカードローンで必要以上に借入をしてしまい、返済できなくなることもあります。
それでは、銀行のカードローンの返済ができなくなってしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。今回は、銀行のカードローンの特徴や返済が難しくなるケース、返済が厳しくなった場合の対処法について、詳しく解説します。
※なお、ここで言う「銀行のカードローン」とは、三井住友銀行や三菱UFJ銀行などの都市銀行や地方銀行など「銀行法」で規定された銀行が母体となって発行するカードローンのことを指します。アコムやプロミスなど、銀行傘下にある貸金業者(「貸金業法」で規定された業者)は、この記事では対象としておりません。
▼この記事でわかること
- 銀行のカードローンの特徴を知ることができます。
- 銀行のカードローンで借金が返せなくなる主なケースを知ることができます。
- 銀行のカードローンの借金が返せない場合の対処法を知ることができます。
▼こんな方におすすめ
- 銀行のカードローンで「すぐ返す」と思いつつ借り続けてしまった方
- 銀行で預金を下ろす位の軽い気持ちで借りて返せなくなった方
- 銀行が貸してくれてるんだから大丈夫だと思って返せなくなった方
銀行のカードローンとその他のカードローンの違い
銀行のカードローンは、借入専用カードでお金を借りることができるサービス、いわゆる「カードローン」の一種です。ここでは、銀行が扱うカードローンの定義や特徴について解説します。
銀行のカードローンとは
「銀行が扱うカードローン」は、ここでは銀行が直接扱うカードローンのことを指します。
※この記事では、銀行傘下にある貸金業者は対象外としています。
カードローンは三井住友銀行や三菱UFJ銀行、みずほ銀行などのメガバンクのほか、多くの地方銀行で扱われています。銀行のカードローンの審査に通るとカードが発行され、利用できるようになります。
銀行のカードローンも実質的に限度額がある
かつて、「カードローンの中でも、銀行のカードローンは借りやすい」と言われた時代がありました。その理由は「総量規制」に関係します。
総量規制とは、年収の3分の1までしか借金をすることができないという規制のことです。
本来、総量規制は、借り手の能力以上に借入をして借金問題を抱えてしまうことを避けるために設けられた規制です。これは貸金業法に基づくものであり、貸金業者(消費者金融ローン、クレジットカード会社のローン、信販会社)からの借入を合算して判定されます。
ところで、法律上、総量規制は貸金業者からの借金には適用されますが、銀行からの借金は対象外とされています。
そのため、かつては銀行のカードローンについては年収の3分の1を超えた借入があった場合でも、借入をすることが可能でした。
しかし、銀行の扱うカードローンが総量規制の対象外ということで、過剰な借入をしてしまい、借金を返せなくなる人が続出しました。そのため、今では銀行のカードローンにおいても「自主規制」という形で、実質的には総量規制と変わらない借入限度額が設定されていることが一般的です。
「銀行のカードローンならば、年収の3分の1以上借入ができる」というのは、今となっては必ずしも正しくありません。「借りられると思っていたのに、借りられない!」ということがないよう、借入は計画的に行った方が良さそうです。
銀行のカードローンが返せなくなるケース
銀行のカードローンが返せなくなるケースは、「銀行」という名前による安心感によるところも大きいようです。
「銀行」の安心感から多額の借金をしてしまう
銀行が扱うカードローンは、有名なメガバンクや地元の銀行が発行していることも多いため、借り手に対して安心感を与えがちです。
しかし、銀行が扱うカードローンの返済ができない場合、銀行ではない会社から返済を要求される場合があります。
例えば、三菱UFJ銀行のカードローンで借りていたのに、「あれ、消費者金融のアコムから返済しろと請求が来た。銀行から借りたと思っていたのに・・・」といった具合です。
これにはれっきとした理由があります。
大抵のカードローンでは、借入をした人が返済できなくなった場合に備えて「保証会社」がついています。
保証会社はカードローンの発行母体によって様々ですが、銀行によっては傘下にある消費者金融業者が保証会社となっているところもあります。
有名なところで言えば、三菱UFJ銀行の場合、保証会社はアコムです。また、三井住友銀行の場合は「プロミス」を運営しているSMBCコンシューマーサービス株式会社です。
仮にカードローンの滞納が続いた場合は、保証会社が借入をした人に代わって、銀行に対して債務を一括で支払います。これを「代位弁済」といいます。
「代位弁済」をした保証会社は、返済した分のお金を債務者から取り返さなければなりません。したがって、先の例のように「銀行から借金したはずなのに、消費者金融から借金の催促、それも一括支払の請求が来た!」ということが起こりうるわけです。
言い換えると、銀行のカードローンであっても、滞納をすると結局は消費者金融のような、ノンバンクの貸金業者による督促が行われる場合があります。安心感から必要以上に借金をしたり、返済がルーズだと、その後貸金業者からの督促に苦しむケースがありそうです。
銀行のカードローンの借金が返せない場合の対処法
銀行のカードローンの借金が返せない場合、どんな対処法があるのでしょうか。順に見ていきましょう。
おまとめローンでは問題解決にはならない
「おまとめローン」は、複数の借入先から利用しているローンを1つにまとめることです。
おまとめローンの利用により、これまでのローンより金利が下がり返済しやすくなったり、返済日が1つに決まるため借金の管理がしやすくなるといったメリットがあります。
しかし、おまとめローンは一般的に審査が厳しく、審査に通っても年収や勤務状況などによってはあまり金利が下がらないことがあります。
また、おまとめローンはあくまでローンの返済をしやすくしたり、管理をしやすくすることが主な目的であり、返済額の大幅な圧縮といった効果はありません。
そのため、月々の返済が厳しい、今後もまとまった収入を得る見込みがないといった方にとっては、根本的な解決策とはならないでしょう。
借金体質から抜け出す
銀行のカードローンは手軽に利用できるため、ちょっとした現金の不足ですぐにカードローンを使ってしまう方がいます。
このような方は、カードローンやその他の借金をしてしまう習慣を見直す必要があります。欲しいものがあっても預金が不足しているときは我慢するなど、日常的に我慢する癖を身に着ける必要があります。
とは言え、すでに借入してしまったカードローンが大きくなってしまった場合は、借金体質の改善だけでは取り返しがつかないこともあるでしょう。
すでに返済ができない状態になっている場合は、他の手続きを考えなければならないでしょう。
債務整理で借金を整理する
銀行のカードローンの借金が返せなくなったら、債務整理を考えることが現実的です。
債務整理とは、借金を減らしたり、月々の返済額を見直すことで、借金の負担を軽減する法的手続きのことです。
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産などがあり、それぞれ効果やメリット・デメリットが異なります。
利息のカットや月々の返済額の見直しで完済が可能であれば任意整理、大幅な借金の減額が必要であれば個人再生、全く返済できる見込みがない場合は自己破産を検討することになります。
銀行のカードローンが返せない場合は弁護士に相談しよう
銀行のカードローンが返せない場合、弁護士に相談して債務整理の手続きなどについてアドバイスをもらいましょう。
債務整理の経験が豊富な弁護士であれば、依頼者の相談内容をもとに適切な解決方法を提案してもらえる可能性があります。返済がヤバいかな、と思ったら、まずは弁護士に相談することを考えても良いかもしれません。
まとめ
銀行が扱うカードローンは、「銀行」という名の安心感から、ついつい必要以上の借入を行ってしまいがちです。
しかし、銀行のカードローンを滞納すると、結局は代位弁済をした保証会社によって督促が行われることもあります。実は思ったより「安心感」はないかもしれません。
銀行のカードローンの借金が返せない場合は、おまとめローンや借金体質の改善などの対処法が考えられますが、いずれも借金問題を根本的に解決することは難しいでしょう。
銀行のカードローンの返済に困ったら、まずは弁護士に相談の上、債務整理などを検討することが現実的です。どの債務整理の手段が適切か、弁護士からアドバイス受けながら検討すると良いでしょう。