借金の滞納で給料が差し押さえられる!?対処法を解説

借金・債務整理

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株式会社ココナラに在籍する弁護士が監修しています
株式会社ココナラ

借金を滞納してしばらく経つと、財産が差し押さえられる恐れがあります。
差し押さえでは、給料をはじめ、車や預貯金なども対象になりえます。
本記事では、借金滞納から差し押さえまでの具体的な流れ、差し押さえされる対象についてご紹介します。また、差し押さえされそうになった場合や、差し押さえ中の対処法についても合わせて解説します。

▼この記事でわかること

  • 差し押さえの流れについて知ることができます
  • 差し押さえは何が対象にされるのか知ることができます
  • 差し押さえの対処法について知ることができます

▼こんな方におすすめ

  • 借金を滞納し続けていて、差し押さえされる?と不安な方
  • 差し押さえ予告通知が届いた方
  • 差し押さえの判決が出て何がどうなるのか不安な方

借金滞納による差し押さえの流れ

借金滞納による差し押さえは、いくつかの段階を経て行われます。ここでは、差し押さえ通知書が届いてから実際に差し押さえが行われるまでの流れを解説します。

「差押予告通知書」が届く

「差押予告通知」は、借金の返済が滞り、借入先からの一括請求にも応じなかった場合に郵送される通知です。
差押予告通知の内容は、「一括請求に応じない場合差し押さえを行いますよ」という警告です。法的拘束力はないものの、差し押さえの段階が迫っていると考えた方が良いでしょう。

裁判所から「支払督促申立書」が届く

「差押予告通知」が郵送されても何も対応しないと、借入先は裁判所に対して支払督促を申し立てます。
申立後、裁判所から2週間程度で「支払督促申立書」が郵送されます。

支払督促申立書は、「特別送達」と呼ばれる郵便で、裁判所名義の書類として送られます。
特別送達は訴訟に関係する人に送られる書類であり、「見た覚えがない」と言い逃れができないように受け取り時に署名か押印が求められます。

裁判所から「仮執行宣言付支払督促」が届く

裁判所から郵送された支払督促申立書には「督促異議申立書」を提出し、異議を申し立てることができます。
この異議の申し立ては2週間以内と決められており、申し立てると法廷で借入先と交渉を進めることになります。

支払督促申立書に何も対応しないままだと、借入先は裁判所に対して仮執行宣言の申立を行います。
仮執行宣言申立書に不備がなければ、裁判所は借入先に対して仮執行宣言を発付します。
仮執行宣言が発布される差し押さえを許可し、「仮執行宣言付支払督促」が送られてきます。この時点で、すぐに差し押さえが行われる恐れがあります。

強制執行による差し押さえが行われる

仮執行宣言が出されて2週間以内に再度異議申立を行えば、差し押さえは一旦回避できます。 しかし、2週間以内に異議を申し立てなければ、借入先はどのタイミングでも差し押さえができるようになります。
借入先によって実際の差し押さえまでの期間は異なりますが、この段階になると、いつ差し押さえが実行されてもおかしくありません。

差し押さえの対象となる財産は?

差し押さえの対象になるものは、給料以外にも車や価値のある財産など様々です。ここでは、具体的に差し押さえられる対象をご紹介します。

給料の差し押さえ

勤務先からの給料は、差し押さえの対象になります。

給料の差し押さえは、全額ではなく毎月その一部を差し押さえられることになります。
具体的には、給料のから所得税や社会保険料などを差し引いた手取り額の4分の1までと法律で決められています。ただし、手取り額が44万円を超えている場合は、33万円を超えている部分が全額差し押さえ対象となってしまいます。

例えば、手取りが20万円の人は4分の1の5万円が差し押さえられますが、手取りが50万円の人は33万円を超えた部分である17万円が差し押さえられてしまうのです。

給料の差し押さえは借金を全額返済し終えるまで続きます。また、裁判所が勤務先に差し押さえをについて連絡をするため、勤務先には必ずバレてしまいます。

なお、自営業者には給料という概念がありません。
そのため、預金や車などの動産、不動産などの他の財産、あるいは自営業者の取引先に対する売掛債権などを差し押さえる方向で検討されるのが一般的です。

預金の差し押さえ

預金も差し押さえの対象とされます。

借入先によって預金(銀行口座)の調査などが行われ、裁判所が差し押さえ命令を出した後に請求額が別の口座に移されます。
しかし、差し押さえ後も、口座自体は動かすことができ、口座に手持ちの資金を入金することは可能です。
また、差し押さえ命令送達後に入金した分が差し押さえ対象になることもありません。

そう言うと「では預金を事前に引き出しておけばよいのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、差し押さえがあることを見越して預金を先に引き出しておくという行為は、財産隠しとも取られかねません。避けるのが賢明です。

その他価値のある財産の差し押さえ

給料よりは優先度は低くなりますが、車も差し押さえの対象です。
車は差し押さえ後も競売にかけて換金しなければならないため、給料や預金よりも手間がかかります。
また、車体番号の手続きや撤去・管理に費用がかかるため、差し押さえる側も最初は対象とはしないことがほとんどです。

自宅にあるブランドバックや携帯電話、結婚指輪などの価値があるものも差し押さえ対象になります。
ただし、洗濯機や冷蔵庫などの家電製品やベッド、調理用具などの生活用品は差し押さえが禁止されています。

本人名義の土地や建物などの不動産も、差し押さえ対象になる場合があります。
不動産には自宅(持家)ももちろん含まれます。

差し押さえを回避するには?

差し押さえを回避するには、できるだけ早めにに借入先と相談することが先決です。
また、差押予告通知後も、債務整理なら対応することが可能です。

滞納する前段階で借入先に相談しておく

差し押さえを回避するためには、何よりもまず滞納する前段階、少なくとも差押予告通知が届く前の督促状が届いている段階で、一度借入先に相談することが大切です。
督促状が届いた段階で誠実な対応をすれば、支払いを数日待ってもらえる可能性があります。
つまり、差押予告通知が届いた後も対応次第では急に差し押さえを受けるリスクを減らすことができます。

滞納している後ろめたさで連絡をしないと、その後後悔することになりかねません。まずは勇気を出して相談してみましょう。

債務整理で借金を減らして差し押さえを防ぐ

どうしても借金を返せる目途が立たない場合は、債務整理を検討しましょう。
債務整理は、借金の返済負担を軽減する法的な手続きです。
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産の主に3つが存在し、それぞれ借金の状況によって使い分けることができます。

任意整理であれば、利息のカットや月々の返済負担の軽減、個人再生であれば住宅ローン以外の大幅な借金の減額、自己破産であれば借金をほぼゼロにすることが可能です。
差し押さえのリスクがある状態では、そもそも借金を返済できないケースがほとんどのため、債務整理によって借金問題を根本的に解決することが効果的です。

債務整理は、弁護士に相談することで手続きをすることが可能です。
経験豊富な弁護士であれば、依頼者の借金状況に応じて適切な手続きをしてくれます。

まとめ

借金の差し押さえは、「差押予告通知書の送付を受けた」などの段階から早めに対処する必要があります。
放っておくと、支払督促などに手続きが進み、ある日突然給料などの差し押さえを受ける恐れがあります。

給料が差し押さえられた場合は、借金を完済するまで毎月続き、勤務先にもバレてしまうなど社会的信用も失うことになります。
また、差し押さえは給料以外にも預金口座や車、価値のある財産などが対象になるため、生活に大きなダメージがあります。

差し押さえを回避するためには、できるだけ早めにに対処する必要があります。
債務整理なら借金の負担を減らすことができ、差し押さえなど最悪の事態になることを防げます。
まずは弁護士に相談し、適切な手続きについてアドバイスをもらうことをおすすめします。

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