預金口座が差し押さえられる流れと対処法を解説!回避する方法はある?

借金・債務整理

この記事の監修

兵庫県 / 西宮市
虎ノ門法律経済事務所 西宮支店
事務所HP

借金を長期間滞納すると、結果として預金口座が差し押さえられる恐れがあります。
差し押さえまでには何段階かプロセスがあるため、自分がどの段階かを確認し、差し押さえられるリスクがないかを理解することが大切です。
そこで本記事では、預金口座が差し押さえられるまでの具体的な流れを解説します。
また、預金口座の差し押さえを回避する対処方法もあわせて解説します。

この記事でわかること

  • 預金口座の差し押さえの流れを知ることができます
  • 預金口座を差し押さえられた場合のリスクについて知ることができます
  • 預金口座の差し押さえを回避する方法を知ることができます

こんな方におすすめ

  • 預金口座が差し押さえられそうな方
  • 預金口座差し押さえの流れを知りたい方
  • 預金口座の差し押さえを回避する方法を知りたい方

預金口座も差し押さえの対象になる


借金を長期間滞納した場合、財産が差し押さえられることがあります。
差し押さえの対象となる財産は、給料や動産・不動産のほかに、預金口座も含まれています。

たとえ債権者が裁判・判決で「債務者からお金を支払ってもらう権利がある」と判示されたとしても、それだけでは預金口座の差し押さえはできません。
預金口座の差し押さえが本当に実行されるためには、債権者が強制執行を裁判所に申し立てなければなりません。つまり、預金口座の差し押さえが実行されるまでには、いくつかの段階を経る必要があります。
逆にいえば、裁判・判決を経たとしても、預金口座からお金が引き出せなくなるまでに、債務者は何らかの手を打てる可能性がある、ということです。

預金口座からお金を引き出せないと、色々と不便です。そうなる前に何らかの手を打ったほうがよいでしょう。
ではどうしたらよいか、以下で順を追ってみていきましょう。

預金口座が差し押さえられるまでの流れ


預金口座が差し押さえられるまでの具体的な流れを説明します。

催促や一括請求が行われる

支払いを遅滞すると、まずは督促状や催告書が送付されたり、電話による催促が行われます。
通常は、督促状が送られてきた後に、催告書が送られてきます。
もっとも、催告書が送付される段階であっても、ただちに返済を行えば大きな事態には発展しません。また、この段階であれば、数日程度返済を猶予してもらえる可能性もあります。

分割払いの場合、催告書を無視し続けると、しばらくしてから借金の一括請求がなされます。
一括請求では、残りの借金の全てを一括で返済するように求められますが、返済に応じることができる人は多くありません。

債権差し押さえの申し立てが行われる

債権者からの一括請求にも応じないと、債権者は差し押さえに向けて動き出します。

この場合には、「訴訟を提起して裁判に勝訴し、これによって判決をもらうこと」が、債権者の目的ですが、それには時間がかかります。
そのため、「支払督促」という手続きが使われることがあります。
支払督促の他にも、訴訟を提起したり、あるいは民事調停といった手段もありますが、中でも多いのは支払督促といわれています。
そのため、以下では支払督促を前提とした流れをお示しします。

債権者が催促状を送ったが、債務者から返済がない場合、「差押予告通知」という書類が届くことがあります。
この中には一般的に、「期日までに借金を一括返済できなければ財産を差し押さえる」という内容が書かれています。

この「差押予告通知」自体は、差し押さえを可能にするなどの法的な拘束力はありません。しかし、差押予告通知が届いた後も返済せずにいると、次に、裁判所から「支払督促」という書類が郵送されます。

これは差し押さえまでのステップが一段上がったことを意味します。
裁判所から支払督促が郵送されてきたら、差し押さえはすぐそこまで迫っていると考えましょう。

裁判所の強制執行で預金口座が差し押さえられる

支払督促が届いてから差し押さえまでは時間がありません。
裁判所が支払督促を郵送した後、支払督促を受け取った人が2週間以内に異議申し立てを行わなければ、財産の差し押さえが行われます。

預金口座の差し押さえでは、利用している金融機関が口座の取引をストップさせ、債務者の口座から債権者の指定する別の口座に預金を移します。
なお、預金口座の差し押さえは預金が豊富にある給料日に近い日などを狙って行われることが多いですが、債権者の意向により行われます。
したがって、債務者はいつ、自分の口座に対して差し押さえが行われるかを知ることはできません。

預金口座の差し押さえで何が起こる?


預金口座の差し押さえが行われると、何が起こるのでしょうか。
ここでは、現在の預金や差し押さえ後の預金の取扱いについて解説します。

現在の預金が差し押さえられる

裁判所から差し押さえ命令が出ると、請求額分が差し押さえ口座から別の口座に強制的に移されることになります(これを「転付命令」といいます。)。
預金口座に対する差し押さえの場合、預金が請求額以下の場合には、金融機関に差し押さえ通知が届くと、預金残高の全額差し押さえられてしまうことになってしまいます。

自己破産や任意整理で早めに対応しよう

借金問題はひとりで悩んでいると時間と共に事態が悪化していきます。
そのため、返済が困難だと思ったら早めに対処することが大切です。
自己破産や任意整理を用いて、早めに手続きをすれば、生活に大きな影響が出る前に借金問題に対処できます。交渉の窓口を弁護士にすることで、ご自身は返済に注力することができます。

預金口座の差し押さえを回避したいなら弁護士に相談を


預金口座の差し押さえを回避するためには、早めに弁護士に依頼しましょう。
安易に司法書士などに任意整理を依頼したとしても、これで債権者が強制執行を諦めることはありません。
むしろ、債務者の支払いが滞ることが明らかですから、預金口座への強制執行といった手続きを行う債権者もいるでしょう。
このような状況で、債務整理をどのように行うかどうかは、専門家に依頼して検討しましょう。

弁護士であれば、普段から債権者の代理人としての立場で、債権の差押え等の強制執行といった裁判手続きを行っていることが通常です。
最も裁判手続きに精通している専門家が弁護士です。
そのため、債務者としての立場であっても、今後どのようにすればいいかを相談する最も心強い専門家といえましょう。

債務整理問題について、弁護士事務所の中には無料で相談を受け付けているところもあるため、まずは自分の借金問題について相談してみると良いでしょう。
経験豊富な弁護士であれば、適切なアドバイスを貰うことができます。

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まとめ


長期間借金を滞納していると、預金口座が差し押さえられる可能性があります。
預金口座の差し押さえまでには、いくつかのステップがあります。逆にいえば、借金を滞納したからといっていきなり預金口座を差し押さえられるということは起こりません。

預金口座の差し押さえを回避するためには、現在差し押さえのリスクがどのくらいあるのかを理解し、早めに対処することが必要です。
場合によっては自己破産や任意整理を考えても良いでしょう。
債務整理の手続きは、経験豊富な弁護士に依頼しましょう。
差押えへの対応も含めて、裁判手続きと返済交渉のプロフェッショナルである弁護士に対応を依頼することをお勧めします。
弁護士であれば、債務整理の種類やその後の返済についても適切なアドバイスをしてくれるはずです。

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