法的トラブルを抱えた方の体験談をココナラ法律相談編集部が取材した記事です。 現在「この先がわからない不安」に直面されている読者の方もいらっしゃると思います。同様の体験をされた方のリアルをお伝えすることが、踏み出す一歩への心強さにつながれば幸いです。 |
日本では「3組に1組は離婚している(※)」といわれるように、決して離婚はめずらしいことではありません。
離婚率がそれだけ高いということは、婚約段階でも関係を解消された・したという経験をお持ちの方も多くいるのではないでしょうか。
婚約破棄にいたる局面では、将来を共にするための準備を進めている場合もあり、「ただカップルが破局する」という事実に留まらず、慰謝料請求などが生じるケースもあるでしょう。
では、実際に婚約破棄に関するトラブルが生じた際は、どのように解決へ向かえばよいのでしょうか。
実際に婚約破棄の被告側として、ココナラ法律相談を通じて弁護士に依頼をした相談者に、その全容について話を伺いました。
(※)特殊離婚率(年間の離婚件数に対する婚姻件数の割合)に基づく
法律トラブルの概要 | |
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相談者 | 30代 女性 会社員 |
相談内容 | 婚約破棄による慰謝料請求をされている |
問題発生から 現在までの流れ |
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婚約破棄による慰謝料請求の訴状が届き、急遽弁護士を探すことに
──今回どのようなトラブルに遭ったのでしょうか。
元交際相手から、婚約破棄による慰謝料請求の裁判を起こされてしまいました。
その相手とは交際中、プロポーズを受け、両家の顔合わせ等も済ませていましたので、確かに婚約の事実はありました。
ただ一昨年、2人の間で生じたトラブルをきっかけに、話し合ったうえで婚約解消し、お別れをしていたのです。
しかし相手は婚約解消を不服に感じていたようで、その1週間後、弁護士を通して「婚約破棄は貴方の不貞行為が原因であり、精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求する」という旨が記載された内容証明が送られてきました。
この時点で「本人への直接の連絡は不可能、弁護士を通してのみやり取りをする」との意向が記載されていたため、すぐに要求には応じない旨を返答しました。
それ以降も、複数回に渡り慰謝料請求や、和解に向けた協議書等が届きました。
協議に応じない姿勢は変わらなかったことで相手も諦めがついたのか、そのまま音沙汰がなかったのですが、約1年後に裁判所から突然婚約破棄による慰謝料請求の裁判を提起したと記載された訴状が送られてきたのです。
──突然訴状が送られてきたら、驚きますよね。その後、どうしたのですか。
「裁判」という言葉にとても動揺しましたが、訴状に「不服がある場合は◯日までに答弁書を提出するように」と記載があったので、急いで弁護士を探し始めました。
法律事務所のホームページやココナラ法律相談などのWebから検索し、6〜7つの法律事務所に問い合わせましたね。
──実際に問い合わせた弁護士は、どのような条件で検討したのですか。
相手方は「彼女(私)の不貞行為が原因で婚約破棄に至った」等と事実と異なる主張をしていたため、私は相手と徹底的に闘う方針でした。
そのため依頼先の弁護士には、戦略・戦術が明確で、男女問題に強く「請求された側」への実績が豊富であることを第一条件として求めました。
また「価値観が合う」「スピード感を重視している」等、人となりや仕事に対するスタンスを知ったうえで相談する弁護士を検討したいと思っていました。
それらの点においてココナラ法律相談は、弁護士の個別ページやインタビュー等を通して相談前から人物像が明確にわかったのが良かったですね。
弁護士には、自分のプライベートな問題について詳細に伝える必要があるので、弁護士の掲載内容から信頼のおける方なのかが判断しやすくなり、安心感につながりました。
分岐図を用いて状況整理。明確かつ寛容な対応で安心して裁判に臨めた
──実際に複数の弁護士に問い合わせてみて、どうでしたか。
本当に法律事務所によって対応方法が様々であることを実感しましたね。
法律事務所によってはオペレーターが一時受付し弁護士とすぐに話せない、メールを送っても返信が数日かかるなどの状況があり、私はもう少しスピーディーに進めたかったので、やきもきしていました。
そのなかで、ココナラ法律相談経由で問い合わせたひとりの弁護士の印象がとても良く、その方への依頼を決めたのです。
──依頼した弁護士は、どの点が決め手になったのでしょうか。
まずは初回相談の際、私の置かれている状況について理解を示してくれ、「私はあなたが悪いとは思っていない」というスタンスでいてくれた点がとても安心できました。
そのうえで、私の今置かれている状況や今後の流れについて分岐図を紙に書きながら整理してくれ、次に取るべき行動が明確にわかり、とても頼りになる印象を抱きました。
また問い合わせ時からすべて弁護士が直接対応してくれたので、スピード感もあり、私の希望とマッチしたのです。
──依頼後、その弁護士はどのような対応をしてくれたのですか。
代理人として、裁判所の手続きから証拠の準備、法廷での主張まで必要な対応は全部お任せできました。
状況整理や尋問への回答の仕方も、初回面談のときにしていただいたように、すべて分岐図にして解説してくれたのでわかりやすかったですね。
尋問が行われる前は、「この主張について、このように相手を攻められます」「こう言われたらこう言ってください」と示したうえで、リハーサルも実施してくれました。
弁護士から提供された分岐図を改変したイメージ
──とても丁寧な対応ですね。実際の裁判はどのように進んでいったのでしょうか。
今回の問題は「婚約破棄の原因が何か」が争点となりました。
前述のとおり、相手は婚約破棄の原因を「私の不貞行為」だと主張しているのですが、実際はトラブルがあり婚約破棄に至った形です。
しかし婚約破棄について書面に残しているわけではないので、いつ婚約破棄に至ったのかという明確な証拠がないために、相手方は私が他の男性と一緒にいたという事実から「不貞行為をしている」と主張しているわけです。
実際の尋問では、私の相手方への不満が募り、リハーサルを無視して相手側に物申してしまった状況もありましたが、弁護士は寛容で「あなたがスッキリするならやってもいい」と見守ってくれました(笑)。
相手の主張に対しても、裏で「理不尽な思いをさせてすみません」「相手は本当に惨めだなと思いますね」等と共感いただき、気持ちが救われました。
婚約破棄を検討したらまず弁護士に相談を。訴えられた方を救うための活動も視野に
──現在、係争中のようですが、裁判の状況はいかがでしょうか。
訴状が届いたのがおよそ1年前で、現在までに5回ほど審議が行われています。
実際に婚約破棄があり内容証明が届いた期間から数えると、2年にわたってこの問題と向き合っている形になりますね。
尋問が終わって一通りの手続きが済んだことから、ここまでの審理を踏まえて話し合いによって解決をすることができないか和解の協議の場が持たれて、相手から和解の条件が提示されました。
私としては「早く解決して終わらせたい」と思う気持ちもあります。でも、私に非はないと考えているので相手の提示する条件で和解に応じるつもりはありません。
相手も納得していないようなので、まだ裁判が続いてしまうかもしれませんが、やむをえないと覚悟しています。
──初めて被告側の立場になり、どのような思いでいらっしゃいますか。
「法律は弱いものを守る武器」だと思っていましたが、今回の問題を通して、法律は使い方によって善にも悪にも転ぶということを知りました。
相手方の主張が事実と異なっていたとしても、法を駆使して主張が通ってしまえば、事実が捻じ曲げられることもあると。
そして正当な形で法律を武器にするには、まず法律知識を蓄える必要があると実感しました。
実は、今回のことをきっかけに、法律の勉強をしはじめたのです。
同じような思いをしてしまう方を一人でも多く救うため、この一件が落ち着いたら、今回の問題について勉強した内容も踏まえ、世の中に発信したいと思っています。
──離婚破棄で訴えられ、似た状況でお悩みの方に伝えたいことはありますか。
今回の問題においては、相手が弁護士を通して内容証明を送ってきた時点で、もめそうな兆候はあったので、このタイミングで弁護士をつけておけば対策ができたのではと悔やんでいます。
そのため婚約破棄を検討している方は、弁護士に交渉のポイントを聞いておくなど、なるべく早く弁護士を頼ることが解決の最善策だと思いますね。
弁護士に相談すべきか悩んでいる方は、無料相談からでも、まずは一歩を踏み出してみてください。
インタビュー後記
今回のインタビュー対象者は、ご自身が現在係争中で大変な思いをしているなかでも、同じくつらい思いを抱える方に目を向けた活動を考えている、優しさと芯の強さをもつ方でした。
裁判が長期化すると、早く終わらせたいあまりに不本意でも相手に有利な和解案に同意してしまうようなケースもあるかと思います。
そんななかでも、しっかりと正当性を主張し闘いきるということは、今後の人生の糧となることでしょう。
もしご自身が訴えられてしまった場合は、納得感のある結果を得るためにも、今回の弁護士のように自身と価値観が合い、信頼のおける弁護士に依頼することはとても大切です。
トラブルを抱えてお困りの方は、まずは複数事務所に問い合わせて、依頼先を慎重に検討されることをおすすめします。