一般的に、風俗店では本番行為、すなわちセックスが禁止されています。
とはいえ、本番行為をしてしまい、サービス提供者である女性や風俗店とトラブルになるケースが後を絶ちません。
もし本番トラブルを起こしてしまった場合、どうしたら良いのかをまとめました。
▼この記事でわかること
- 本番トラブルのありがちなパターンがわかります。
- 本番トラブルを解決しようとする際、気をつけるべきことがわかります。
- 本番トラブルを起こしてしまった場合の適切な相談先がわかります。
▼こんな方におすすめ
- ホテヘルやデリヘルで本番行為を行い、トラブルになっている方
- 本番行為を行い、風俗嬢や店から高額な示談金を要求されている方
- 本番行為の代償として罰金を支払ったが、その後も金銭を要求されている方
本番したら罰金!?ホテヘル・デリヘルとソープの違い
日本では「売春防止法」で規定されているように、金銭を支払った対価としてセックスを行うこと、すなわち本番行為は法律上禁止されています。
しかし、風俗店の種類によって「本番行為禁止」の実態は若干異なります。
以下で詳しく見ていきましょう。
ホテヘル・デリヘルは本番禁止
ホテルヘルス(ホテヘル)、デリバリーヘルス(デリヘル)での本番行為は禁止されています。
ホテヘルやデリヘルは、異性の性的好奇心を刺激するための接触等によって性感サービスを提供することを目的とした風俗店です。
ここまでは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(略して「風営法」)で認められています。
一方で、男性器を挿入する行為、いわゆる「本番行為」は風営法を逸脱することに加えて、売春防止法で禁止されている行為です。
そのため、本番行為を行った場合はトラブルになる可能性が高くなります。
ソープはグレーゾーン
ホテヘルやデリヘルでは本番行為が厳しく取り締まられることが多いのに対して、ソープランドについては規制がゆるいのが実情です。
というのも、ソープランドは風俗嬢が顧客である男性に浴室で性的なサービスをする店です。
風俗店と言っても、風呂場で男女が出会ってコトに及ぶ、ということであれば、それは自由恋愛の範疇とも言えなくはない、というのが一応の理屈である、というわけです。
従って、以下では「ホテヘル、あるいはデリヘルで本番トラブルを起こしてしまった」場合を中心に取り上げます。
ホテヘル・デリヘルでの本番行為、トラブル勃発?
「ホテヘルやデリヘルで本番行為をした」と言っても、状況はいろいろあります。
どんなパターンがあり、どのようにトラブルになるのか、以下で見ていきましょう。
同意がある場合
サービス提供者である女性との間に本番行為をすることについて同意がある、あるいは限りなく同意に近い意向がある場合です。
「追加で払ったら本番OKと言われた」
サービス提供者である風俗嬢から「追加で〇〇円払ったら本番OK」と言われて本番をするケースです。
お金を支払って何事もなく終了、という場合もありますが、後になって「言った金額が支払われなかった」「やっぱりもっとお金を払ってもらわないと店に言う」等のトラブルになるケースもあります。
なお、この場合「お金を支払ってセックスする」というのは売春であり、法に触れる可能性が高いことには、注意が必要です。
「2人とも盛り上がって挿入」
女性とプレイに及んでいる間に、依頼者と女性の双方が盛り上がってセックスしてしまった、というケースです。
こうした場合は明示的な合意がないケースも多く、後になって「本番OKと言ってない!違反だ!」と言われたり、「途中で女性が泣き出してしまいお店の人を呼ばれてしまう」等のトラブルが起こり得ることには注意したほうが良いでしょう。
「なんとなく入っちゃった」
特にセックスしようという明確な意思が当事者同士になかったにも拘らず、物理的に男性器が女性器に入ってしまったというケースです。
この場合、男性の方に悪気はないとはいえ、女性あるいは店側から責任追及をされる恐れはあります。
同意がない場合
サービス提供者である女性に同意を取らずに本番行為に及んだ場合です。
「嫌がってなさそうだったから入れちゃった」
女性から性的サービスを受けている中で男性も気持ちが高まり、流れで挿入しようとしたところ、「女性が嫌がってなさそうだったので入れちゃった」というケースです。
この場合、女性がどう思っていたのか、本当のところは知る由がありません。そのため、「同意なく挿入された」「嫌だったところ無理やり」と言われた場合、実際に挿入してしまっているという負い目があることから、反論するのは難しくなります。
「無理やりSEX」
女性が明示的にセックスを拒んだにも拘らず、無理やり男性が挿入したケースです。
この場合は「強制性交罪(いわゆるレイプ)」として、刑法に触れる犯罪となる確率が高いでしょう。
こうした場合、弁護士を頼まずに自力で解決するのは極めて難しいと思われます。
女性側がそのまま警察に通報するケースやも少なくないようです。
あるいは、まず女性が所属しているお店の「店長」や「ドライバー」などにその場で助けを求めるような電話をされてしまうケースも多いでしょう。
「挿入、まではOKだったけど・・・」
女性との間で「コンドームをつけるならば挿入OK」と同意はあったけれども、途中でコンドームが破れてしまいトラブルになった、というケースです。
こうした場合も示談金や「アフターピル代」等を請求される場合があります。
なお、仮に「妊娠した」云々の話が出てくると話が一気にこじれるため、自力で解決するには意外に難易度が高いケースでもあります。
本番トラブル、解決するにはどうしたらいい?
本番トラブルにも様々なケースがあることを見てきました。では、問題を解決するにはどうしたらよいのでしょうか。ここでは「よくある疑問」とともに、その是非について弁護士が解説します。
同意がある場合
女の子に、その場では「追加料金を払えば本番OK」と言われたのに、後になって女の子が「合意していない」と言ってきました。示談金を請求されているのですが、どうしたら良いでしょうか。
弁護士に相談されることをおすすめします。
ご依頼いただいた場合、弁護士が代理人として女性や店の責任者等からしっかりと聞き取りをし、事実の確認をします。
その上で示談交渉を進めます。
弁護士が代理人として前面に立つことで、意外に相手方の要求が収まることもありますので、まずはご相談されてみてはいかがでしょうか。
サービスを受けている最中、自然の流れでなんとなく性器が入ってしまい、後日、何度も店から携帯に着信があり恐る恐る出たところ「女の子がショックで出勤してこない。どうしてくれるんだ?」等とお店の人に言われてトラブルになりました。どうしたら良いかわからず困っています。
性器が入った事実について、故意か過失か、また過失の程度がどれほどか、状況によって示談交渉の方向性が変わってきます。
微妙な線引きもありえるため、弁護士に相談・依頼されることが望ましい案件かと思います。
同意がない場合
プレイ中、女の子がOKしてると勘違いして本番行為をしてしまいました。店側から示談金を要求されています。
弁護士にご相談されるのが望ましい事案です。
女性側の意思表示の有無、同意していると男性側に誤認させるような事実がなかったか等、まずは事実関係や事の流れを踏まえた上で、示談交渉をする必要があります。
女性に拒絶されたが、ムラムラして無理やりSEXしてしまいました。自分は強姦罪で逮捕されるのでしょうか。
無理やり性行為に及んだ場合、強制性交罪等が成立する可能性もあり、刑事事件として扱われる場合もあります。
もちろん刑事事件となった場合、逮捕される確率もゼロではありません。弁護士にご相談ください。弁護士に依頼した場合は、万が一の場合にもきちんと対応してもらえます。
挿入まではOKと言われたけど、途中でコンドームが破れてしまいトラブルになりました。示談金を支払わなければいけないのでしょうか。
アフターピル代や慰謝料等の名目で、金銭を要求されるケースはあります。
また、仮にしばらく経ってから相手の方が「妊娠した」と言ってきた場合、事実確認のほか、中絶費用の負担など別の問題が生じます。
いずれれにせよ、事実認定のハードルが高い場合もありますので、弁護士にご相談されることをおすすめします。
その他
ホテヘル/デリヘルを利用しました。その後、そもそも本番してないのに「本番された」と店側から言われ、金銭の支払いを要求されています。
弁護士にご相談ください。弁護士に依頼した場合、弁護士が事実関係を調査した上で、依頼者の代理人として相手方と交渉します。
立場がある仕事(企業の社長、学校の先生など)をしています。
デリヘル嬢と本番をしてしまいました。500万払わないと職場にバラすと言われ、困っています。お金を支払ったほうがよいのでしょうか。
弁護士に相談するのが望ましい事例です。
示談金には事案に応じて相場があります。弁護士の感覚からすると、500万円は高すぎるように思います。
また、言われた金額を支払ったところで、立場があるお仕事、ということで足元を見られ、金銭的要求が更にエスカレートする場合も考えられます。弁護士に対応を一任するのが賢明な事案かと思います。
本番トラブルを起こして、その場で女の子に一旦お金を支払いました。しかし後日、風俗店から別途連絡があり、罰金を請求されて困っています。警察に行くにも行けず、どうしたらよいのでしょうか。
本番トラブルのみならず、風俗店をめぐるトラブルでは
- サービス提供者である女性に金銭を支払ったのに、店側から別途罰金の請求が来る
- 一旦示談金を支払ったにもかかわらず、女性、あるいは風俗店からその後も金銭の支払いを要求される
- 何百万、何千万といった高額な罰金を請求される
といった問題が多く見られます。
本番トラブル等の風俗店をめぐる問題は、密室で起こる出来事だけに事実認定が難しいこと、サービス提供者や利用者、あるいは双方に違法行為があるなど、複雑な問題をはらむケースが散見されます。また、トラブルを盾に利用者側がゆすりや恐喝行為の被害に遭うこともめずらしくありません。
こうした事態を防ぎ、問題を解決するためには弁護士がいると心強いでしょう。躊躇することなしに、弁護士にご相談されることをおすすめします。
まとめ
今回は、本番トラブルを起こしてしまった場合にどうなるのか、解決するにはどうしたら良いかを見てきました。
ホテヘルやデリヘルでの本番行為は法律違反となる可能性が高いこともあり、警察に相談するのがためらわれる事案でもあるでしょう。しかし、そこにつけこみ高額な賠償金を請求される事例が極めて多いのも事実です。
本番トラブルを起こしてしまいお困りの方は、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。