出会い系、援助交際・・・「妊娠した」と女性に言われたときの対処法は?

離婚・男女問題

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弁護士法人若井綜合法律事務所
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ワンナイトラブか、あるいは継続的な関係か、に関わらず、性行為の相手方の女性から「妊娠した」と言われて高額な請求を受ける事例が散見されます。そうした場合、どのように対応したら良いのでしょうか。以下にまとめました。

意外に多い「妊娠トラブル」

世の中、妊娠をめぐるトラブルは意外に多く見られます。
状況もさまざまで、「出会い系」などの一度限りの関係から、不倫関係にある場合、はたまた風俗におけるサービス提供などさまざまです。ここでは、問題の背景を観察することで妊娠トラブルの実態に迫ります。

「一夜限りの関係で・・・」

妊娠トラブルが起こる背景は様々ですが、代表的なものに以下が挙げられます。

一度だけ、もしくはそれに近いの関係

たとえ「一夜限りの関係」であっても性行為がある限り、妊娠トラブルは起こりえます。
なお、近頃ではLINEやカカオトーク等のSNSを通じて初めて出会った人とセックスをしてトラブルになる、というケースも結構あります。こうした場合、相手の素性がわからないことが多いだけに、問題がこじれるケースが後を絶ちません。

【一度だけ、の具体例】

  • 出会い系
  • 援助交際
  • パパ活

継続的な関係

妊娠トラブルは、継続的な関係を築いており、肉体関係を複数回持っている男女間でも起こりえます。
中でも以下のような関係性の場合、妊娠をめぐるトラブルの難易度が上がる可能性があります。

  • 不貞(不倫)関係にある相手方
  • 結婚する気のない彼氏、元カレ

責任は男にだけ?

「妊娠トラブル」というと「妊娠させた男性が悪い!男性が慰謝料を払うべきだ!」などという印象を持たれるかもしれません。
しかし、実際の状況は意外に複雑です。以下で詳しく見ていきましょう。
相手と性行為をする際に「コンドームなしでOK」など、避妊をせずにセックスした結果、妊娠した、という場合を考えます。

合意の上なら問題なしのことも多い

この場合、法律的な観点では男性側が「慰謝料」の名目で、金銭的な賠償をする必要はないとみなされる可能性が高いです。

ただしこの場合でも、妊娠中絶をする場合、中絶費用は折半して払う必要があることに注意が必要です。

なお、少し特殊なケースとして「妊娠しても、迷惑はかけないから避妊しなくても大丈夫だよ」等と不倫相手が言っていて、男性も安心していた。しかし、いざ妊娠が発覚すると女性側が豹変してしまった、という場合があります。その際、女性から男性に対して、精神面で苦痛を負ったことについて慰謝料請求の対象となる場合があります。

合意がない場合はこじれる

相手と性行為をする際、避妊しないことについて合意がない場合は、話がややこしくなります。
この場合、妊娠するに至った背景、事実関係が重要になります。

たとえば「セックスはOK、ただしコンドームは必ず付けて」と言われたのに無理やり避妊具なしで性行為を行った場合、「強要」、つまり不法行為とみなされて慰謝料支払いの対象となることがあります。
また、避妊具をつけていたが、途中でコンドームが破れてしまった、などといった場合も男性側が請求を受ける場合があります。

あるいは、性行為自体に合意がなかったという場合もあるでしょう。
たとえば以下のような場合です。

  • パパ活で、ホテルで卑猥な写真を取るだけならOKと言っていたのに無理やり性行為をした
  • 援助交際でラブホテルに行ったが、途中で女性の気が変わり性行為を拒んだ。しかし男性が収まらず、強姦同然で無理やり性行為をした

こうした場合は、損害賠償の意味合いで、何らかの金銭的な補償を行わなければならない可能性が高まります。
また、「無理やり」の色合いが強い場合は、強制性交罪・準強制性交罪などの刑事事件として逮捕される可能性がないわけでもありません。

「妊娠した」と言われたときの対処法

学校の先生 不倫 慰謝料

肉体関係を持った相手方の女性から「妊娠した」と言われた場合、まずはどんなことに気をつけるべきでしょうか。以下で見ていきましょう。

まずは妊娠が本当か、確認する

「妊娠した」と言われた時点では、本当かウソかは女性にしかわかりません。そのため、まずは事実確認をすることをおすすめします。

本当に自分の子?

「相手の女性が『妊娠した』と言ってきた。とはいえ、どうやって調べたら良いの?」
こうしたケースで、コトの真偽を自分で調べるのは意外に難しいのが正直なところです。
あえて自分で調べるとしたら、相手の女性に産婦人科の受診記録を見せてもらうのが良いでしょう。
その際、受診内容を記した「明細」を見せてもらうのがポイントです。病院の領収書だけではどんな診察を受けたのか、はたまた妊娠しているのかどうかがわからないためです。

また、実際に妊娠していたとしても、女性が複数の男性と関係を持っている場合も考えられます。つまり、「本当に自分の子か?」という点は、解決されないまま残ります。
こうしたことから、相手方の女性に「妊娠した」と告げられた場合に自力で解決するのは相当ハードルが高いと思ったほうが良いでしょう。

金銭目的?

すべてがすべて、とは言いませんが、女性が金銭目的でわざと「妊娠した」と嘘をついて、慰謝料や中絶費用などの名目で高額な金銭を要求してくる場合があります。
中には、
「一旦支払ったのに、後になってまたお金を請求してきた」
「女性の彼氏、という人が出てきて、言いがかり的に金銭をしつこく要求してきた」
というケースもあります。

こうしたケースは、いわゆる「不当要求」に当たる可能性があります。不当要求は相手の要求が執拗かつ高額に登る場合も多いため、「妊娠した。お金を払ってほしい」と言われた段階で、弁護士に相談する方が安心です。

支払わなければならないコストは?

相手の女性が実際に妊娠していた場合、支払わなければならない金銭にはどのようなものがあるのでしょうか。

中絶する場合

中絶費用

上でも触れた通り、中絶する場合は、中絶費用が必要になります。
中絶の費用は病院によってまちまちですが、大体10万円から15万円が相場と言われています。
男性からしてみたら中絶費用がいくら、という相場観はないのが通常でしょう。中絶費用を折半する際は、領収書を元にして算出するのがおすすめです。

慰謝料

相手が避妊具をつけない性行為に同意していなかった場合は、慰謝料を請求される可能性があります。
慰謝料の金額は、妊娠に至る背景によって様々ですが、参考までに以下に相場を示します。

【妊娠トラブルによる事例毎の慰謝料相場】

  • 同意の上での性行為だった場合  50万円〜
  • レイプ同然で性行為をした場合 100万円〜

※上はあくまで相場であり、個別の事情によって相当程度変動します。

また、上記例の金額の変動理由としては、相手の女性が出産を前提に金銭の請求をする場合「養育費や慰謝料を一括で前払いしてくれ」「それが嫌なら養育費に相当するくらいの慰謝料を払え」等と無茶苦茶な要求をしてくることもケースが多く考えられます。

当初は堕胎のお金を払って欲しいとだけしか言われていなかったけれど、時間の経過とともにインターネット上の様々な錯綜した情報を根拠とし、堕胎の慰謝料といった請求から「堕胎してほしかったら…」といった慰謝料・示談金請求にすり替わっていくケースが多く見られます。

慰謝料の決め方は個別の事情によるところが相当大きいこと、そもそもの因果関係も複雑な場合があることから、弁護士を代理人として相手方と交渉したほうがスムーズな解決が望めるでしょう。

産む場合

相手方の女性が「子供を産む」と言い、それを男性側が受け入れた場合は以下のことに対応する必要があります。

  • 子の認知
  • 養育費
  • 相続

これらはどの項目一つとっても、重いトピックです。一方で一定の相場感が確立されている分野でもあるため、これらに精通した弁護士に相談することが解決への近道となりそうです。

実際の事例

ここでは、実際に妊娠トラブルに巻き込まれた方からの質問に、弁護士が答えます。
※事例についてはプライバシーの観点より、一部改変しています。

出会い系アプリで知り合った女性と合意の上、関係を持ちました。後日、相手から「妊娠した。子供を産んで、あなたと結婚してもいいと思っている。」と言われました。
実は私は結婚して子供もいるのですが、相手方はそのことを知りません。なお、自宅の住所はバレています。
これからのことを思うと不安です。私はどうしたら良いでしょうか。

弁護士にご相談されるのが望ましいケースです。
この場合、「出会い系アプリ」で知り合った方とは合意の上で性行為を行ったということですので、それ自体が問題のある行為とは言えないでしょう。

 

一方で心配なことは、ご相談者様に家族がいらっしゃるということです。
既に結婚している事自体が問題になるというよりは、いかにご相談者様のご家族に影響が出ないようにするか、できればご家族に知られずに解決できないか、というところがポイントかと思います。こうした場合は弁護士に依頼の上、代理人としての弁護士が相手の女性と交渉することが、結婚生活に影響が出るリスクを下げることに繋がると思います。

まとめ

風俗 本番トラブル 解決

今回は、女性から「妊娠した」と言われ金銭を要求されている、という場合を中心に、妊娠トラブルについて見てきました。
妊娠トラブルは、事実関係の整理や示談金交渉など、自力で解決するには難しいポイントが多々あります。また、美人局的なケースでは第三者を介して、何度となく執拗に多額の近世を要求される場合があります。妊娠トラブルに巻き込まれた場合は、まずは弁護士に相談した方が安心かもしれません。

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