「学校」という限られた人間関係の中では、相談できる人が限られていることや、日常的に多くの時間を過ごすことから恋愛関係に発展するケースが少なくありません。
一方で不倫がバレた際、「先生であること」を引き合いに出され、高額な慰謝料を請求されるケースもあるようです。
そんな時、どのように対処すれば良いかを以下にまとめました。
▼この記事でわかること
- 学校の先生が不倫トラブルに巻き込まれたとき、どういったリスクがあるのかがわかります。
- 教師の不倫トラブルにありがちな事例がわかります。
- 法外に高い不倫の慰謝料請求を受けたときに、どう対応すればよいかがわかります。
▼こんな方におすすめ
- 不倫相手の夫あるいは妻から高額な慰謝料請求を受けて困っている先生
- 不倫がバレることでどういった不利益を被るか知りたい教師の方
- 不倫の慰謝料トラブルを解決するにはどうしたら良いか知りたい学校関係者の方
立場があるゆえ、ゆすられやすい
一般的に「学校の先生」というと、社会的な信用の高さとセットで語られることが多いことでしょう。
校長先生、といった場合は特に地位が高い、と見られるでしょう。
その分、不倫関係がこじれたり、不倫相手の夫や妻にバレた場合は、「ゆすり」の対象になりやすいようです。
不倫がバレると免職?
学校の先生が揺すられやすい原因の一つに、不倫の当事者である教師自身が「バレたら辞めさせられるかも」などと考え、法外な慰謝料を払ってしまう傾向があることが挙げられます。
では、不倫がバレると本当に解雇・免職となるのでしょうか?
結論から言うと、公立・私立を問わず、直ちに免職、というものではないようです。
そもそも、不倫というのは完全にプライベートな事柄です。
先生のプライベートを法律や就業規則などで縛ることは考えづらいでしょう。
しかし、良からぬ噂が広まり生徒や保護者からの信頼を損ねてしまうと、取り返しのつかない状況に陥ってしまう可能性も少なくありません。
何らかの処分がなかったとしても、職場環境の悪化から自ら辞職をしたり、暗に退職勧告をされる可能性も考えておく必要はあるでしょう。
私は学校の先生をしています。PTAで知り合った生徒の保護者と不倫していましたが、別れる際にトラブルとなりました。
不倫相手からは「500万円払わないと教育委員会に言う」と脅されています。どうしたら良いのでしょうか。
仮に教育委員会に通報されたとして、不倫を理由に免職になる可能性が高いとは言い切れないでしょう。
学校や教育委員会は、不倫というプライベートな事柄には通常踏み込まないものとされています。
しかし先生という職業柄、良からぬ風評被害を受けることは喜ばしいものではありません。
こうした場合は弁護士にご相談されることをおすすめします。
弁護士に依頼すれば、慰謝料減額の交渉だけでなく、風評被害への対策も一緒に扱ってもらうことができるので、安心かと思います。
立場が高い人ほど注意
「先生=聖職者」の固定観念が強い中、校長先生・副校長先生・教頭先生などのいわゆる職階の高い先生、一般的に言って「偉い先生」は、裏切られた時の社会的ダメージが一般の人に比べ大きい、というのが現実です。
その分、不倫がバレた場合は足元を見られて法外な慰謝料を請求されやすいようです。
私は学校で校長をしています。
不倫相手の夫に不倫がバレ、「慰謝料1000万払え」と学校に乗り込まれました。相手はカタギの人ではなさそうで怯えています。どうしたらよいでしょうか。
警察、あるいは弁護士にご相談された方がよい事案かと思います。
相手が「怖い人」とのことですので、弁護士に代理人として前面に立ってもらうことも考えられた方がよろしいかと思います。
おそらく学校法人を運営されているということであれば、法人の顧問弁護士がいらっしゃることでしょう。
その方にご相談されても良いかと思いますが、本件のようなプライベートな内容であれば、法人とは切り離して、別途弁護士を頼むということでも良いかもしれません。
なお、本題からはそれますが、不倫だけでなく風俗に行ったことがバレたことで恐喝にあった、という例もあるようです。
校長をしていますが、修学旅行中にデリヘルを利用してトラブルになり、その場では店側と示談して事なきを得ました。
しかし、後になってそのことが他の引率教員にバレて揺すられています。
コトを収めるために、相手の言う額を支払ったほうがよいでしょうか。
一方で、校長と一般教員などの立場が違えど、同じ学校の教師同士がこうした事例で揉めていることが表面化するのは、学校全体の風評を考えた場合、望ましいものではありません。
弁護士であればこうした点についても配慮しつつ、対応してもらえるのではと思います。
ありがちな不倫トラブル・教師編
ここでは、学校の先生にありがちな不倫トラブルについてまとめています。
妊娠した
不倫相手が「妊娠した」と言ってくる場合です。
こうした時は、以下の対応をとることをおすすめします。
- まずは、妊娠が本当かどうか確かめる
- 弁護士に相談する
相手が妊娠した、と言ってきた場合、産むにしろ産まないにしろ、中絶、認知、相続といった複雑な問題が生じます。自力で対応するのは相当ハードルが高いため、弁護士に相談するのが望ましいと考えられます。
以下、妊娠した・させた場合の対応に詳しい記事もご参考にされると良いでしょう。
(参考)妊娠した場合の対処法に詳しい記事はこちら
「学校にバラす」
不倫相手が「別れるんだったら学校にバラしてやる!」と言ってくる場合、あるいは不倫相手の夫/妻が「慰謝料払え!払わないなら学校にバラすぞ!」などと脅してくる場合です。
上でも触れましたが、学校にバレたからといって、即・懲戒免職、というものではありません。
とはいえ、立場のある仕事ゆえ「先生が不倫をしていたことがバレる」こと自体がマイナスとなりえます。情報管理を含めて、適切に対処するためにも弁護士に相談する方が安心でしょう。
私は学校の教師で、生徒の保護者と不倫をしていました。
別れようとしましたが、不倫相手が「別れたくない」とゴネたため、LINEをブロックするなどして連絡を遮断しました。しかし、不倫相手が同僚の教師を巻き込み連絡しようと試みたため、教員の一部にバレてしまいました。私はどうしたら良いでしょうか。
まずは、これ以上影響範囲を広げないことが大切かと思います。その上で、不倫相手との交渉を進めるのが良いでしょう。
「先生の不倫」は生徒や保護者など、多方面に渡る風評被害を受けやすい事柄であること、不倫相手の方も同僚の先生を介入させるほど感情的になっていると思われることから、第三者である弁護士を立てることが賢明かと思います。一度弁護士にご相談されてみてはいかがでしょうか。
「SNSで公表する」
不倫相手、あるいはその夫/妻が、いわゆる「学校裏サイト」やPTA・ママ友同士のグループLINEに不倫の事実を晒す、などと脅すケースがあります。
こうした行為が実際に行われた場合、名誉毀損や誹謗中傷として法的措置を取れる場合があります。なるべく早めに弁護士に相談するのが良いでしょう。
W不倫で慰謝料を請求された
教師とその不倫相手、あるいは教師同士の不倫で、両方とも結構している、いわば「ダブル不倫」の場合です。
いわゆる教師同士のダブル不倫なんですが、相手の旦那さん(奥さん)が慰謝料を請求してきました。交渉の余地はあるのでしょうか。
法律的な観点から見て、交渉の余地はあると考えられます。
一方で、話をすすめる際「教師同士の不倫」ゆえの問題に留意されるのが賢明かと思います。
というのも、教師の不倫が通常の不倫と異なる点として、仮に公になった場合に教育の現場や子供への影響が懸念されることが挙げられるでしょう。そのため極力、秘密裏に円満に進めるべき事案かと思われます。
まずは児童・生徒達への配慮を第一優先に考え、通常通り学校運営を行うことが望まれます。とはいえ、通常どおりの教育活動を行いながら当事者間で解決することは容易ではありません。
また、教師同士の不倫の場合、関係が周囲に漏れてしまうと、不本意な異動などにつながる恐れもあります。こうしたことにも配慮するためにも、弁護士を窓口にされることをおすすめします。
相手の要求に屈する前に
学校の先生、特に校長先生や教頭先生など学校内での立場が高い先生は、不当に高い不倫の慰謝料を請求されるなど、足元を見られがちです。
あまりにも不条理な要求を受けた場合、どのように対処したら良いのでしょうか。以下にまとめました。
立場を盾に高額な慰謝料請求=不当要求の可能性
一般的に、不倫の慰謝料には相場があります。
しかし、不倫の慰謝料を要求する側に取ってみれば、「取れるだけ取りたい」というのが本音でしょう。
特に慰謝料を請求する相手が学校の先生という場合、
『「教職=聖職者」なのに・・・「性職者」だ!』
のような、不可解な理屈を元に攻撃される事も多いようです。
しかし、あまりに高額な慰謝料請求は「不当要求」に当たる可能性があります。不当要求は法的な観点から見て正当化できるものではないため、要求額をそのまま支払うべき法的根拠もありません。
不倫した、という疚しさから言い値の慰謝料を払う前に、まずは要求が正当かどうか、立ち止まって考えて見ることも必要でしょう。
困ったら弁護士に相談
上でも説明した通り、相手からの不当な要求には屈する必要はありません。
しかし、感情的になった相手と交渉するのは難しいことが多く、場合によっては相手が凶暴化する・ケガをさせると脅してくる場合も考えられます。
また、学校の先生ということで、社会的な信用を傷つけないような配慮も必要でしょう。
こうしたことを踏まえると、弁護士に相談するのが得策です。弁護士に依頼した場合、相手との交渉は基本的に代理人である弁護士が行いますので、交渉によるストレスから解放されます。また、脅迫や強要、暴行行為がある場合には、適宜警察とも連携して対応してもらえます。
まとめ
今回は、学校の先生の不倫について取り上げました。
「先生も人間」とはいえ、信用第一の仕事であることは変わりません。
「家族にバラす」「職場にバラす」など不倫相手からの脅迫を受けている先生、不倫関係を清算したいのにできず、代理人を立てることを検討されている先生の参考になれば幸いです。